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【衝撃事件の核心】言えない被害者名、書かなかった謝罪文、「償う」とはどういうことなのか…花火大会事故裁判で見えた「贖罪の現実」

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【衝撃事件の核心】
言えない被害者名、書かなかった謝罪文、「償う」とはどういうことなのか…花火大会事故裁判で見えた「贖罪の現実」

 決してわざとやったわけではない。しかし、補償もままならない中、これほどまで「一生をかけて償う」ことの意味が、厳しく問われる大事故はほとんど例がないかもしれない。

 犠牲者3人、負傷者48人を出し、検察官が「未曾有の大惨事」と指摘した京都府福知山市の花火大会での露店爆発事故だ。業務上過失致死傷罪に問われた渡辺良平被告(39)の裁判は大詰めを迎え、3月27日に判決が言い渡される。検察側に禁錮5年を求刑された渡辺被告は「どのような判決が出ても受け入れる」と控訴しない姿勢だが、判決は、刑罰は定めても「一生の償い」のあり方までは示してはくれない。

ボロボロ…

 2月6日に行われた被告人質問と、渡辺被告自身が初めて出席した異例の記者会見は、贖罪(しょくざい)という意味ではボロボロの内容だった。

 公判では、一貫して謝罪の意志を示してきた渡辺被告だが、この日は、入廷時に被害者らに一礼しなかったことを検察側にとがめられ、のっけから黙り込んだ。

 法廷では事件後、渡辺被告が、被害者に謝罪の手紙を書くことも、現場を訪れて献花することもなかったことが明らかになった。

 謝罪文については「どこに出せばいいのかわからなかった」と話した渡辺被告だが、検察側は「起訴状に被害者の住所が記載されている。いつでも出すことができたはずだ」と厳しく追及した。

 さらに被害者参加の代理人弁護士から亡くなった3人の名前や年齢を言えるか-などとたたみかけられると、渡辺被告はまた言葉を詰まらせた。

 閉廷後、渡辺被告が初めて臨んだ記者会見でも「償い」の姿勢について厳しい質問が飛んだ。

 弁護士は「謝罪の文章だけ出しても被害者の感情を逆撫でし、何の謝罪にもならない。『紙切れだけでは駄目だ』と言っていた」と、アドバイスしていたことを明かした。

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