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【戸津井康之の銀幕裏の声】現役パイロットは「宮部久蔵」をどう見たか…「生還は義務だ」、語り継ぐ『永遠の0』

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【戸津井康之の銀幕裏の声】
現役パイロットは「宮部久蔵」をどう見たか…「生還は義務だ」、語り継ぐ『永遠の0』

 ゼロ戦特攻兵の人生を描いた映画『永遠の0』(山崎貴監督)がロングランで上映されている。映画ではゼロ戦搭乗員の主人公、宮部久蔵(岡田准一)らが日本の平和を信じ、米艦隊に特攻する-。それから約70年。日本は平和を実現したが、一方で今も日本の領空を国籍不明機が頻繁(ひんぱん)に脅かす状況は続いている。F2戦闘機で何度もスクランブル発進した経験を持つ現役パイロットは『永遠の0』を、そして宮部をどう見たのか?

攻撃の瞬間こそ背後を見た

 昨年6月まで航空自衛隊三沢基地でF2パイロットを務め現在、北部航空方面隊司令部所属の菊地剛二等空佐に感想を聞いた。

 「戦闘機の挙動は非常にリアリティーがあったと思います」。菊地さんは山崎監督がこだわったCGや空撮、特撮シーンのレベルの高さを認めた上で、さらに専門的にこう解説する。

 「旋回している航空機の動きは、揚力と慣性力がうまく表現されています。また、コックピットの映像で、旋回を深めた瞬間に後方の景色の流れが速くなるところなどは、一瞬のシーンですが丹念に作り込まれていると思いました」

 宮部を演じた岡田准一さんは、同僚のパイロットたちに、常に索敵(見張り)の重要性を説く。飛行中、常にコックピットから周囲を見渡し、警戒している。「そんなに命が惜しいのか」と同僚たちは宮部を臆病者だと決めつけるが、菊地さんはこう説明する。

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