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アリバイはどこで作れば…梅田地下街「ふるさと名産」閉鎖へ

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アリバイはどこで作れば…梅田地下街「ふるさと名産」閉鎖へ

 阪神百貨店の建て替え工事に伴う地下道拡幅により、北側の地下街で全国各地の特産品を販売してきた店舗街「ふるさと名産」も閉鎖され、来月末までに5軒すべてが営業を終える。

 同店舗街は、昭和26年オープンの「全国銘菓名物街」が前身で、幅約3メートル、奥行き約数十センチの小さな店が並ぶ。出張や旅行に行かなくても各地の土産物が買えることから「アリバイ横丁」の愛称もついた。開業当初は“全国津々浦々”、約40都道府県の店があったが、現在は鳥取、島根、香川、宮崎、長崎と佐賀(両県の名産を取り扱う)の5店のみとなった。

 今月で営業を終える宮崎県名産店。店主の大岩明子さん(64)が30年近く切り盛りしてきた。同県出身の父、猛(たけし)さんが開業。銘菓の青島せんべいや、はにわの置物が飛ぶように売れた。正月しか休めない忙しさだった。大岩さんは、年号が平成に変わるころ、店を手伝うようになった。

 いつしか、人との出会いが「宝物」になった。道行く人が「寒いやろ。体に気をつけや」と声をかけてくれたり、編み物をしていると毛糸をくれたり…。

 「いろんな人と交流できたことが財産かな」

 猛さんは「絶対に店を潰したらあかん」と話していたが、9年前に91歳で他界した。店を閉めたら、姉と一緒に両親の墓参りに行き、感謝の思いを伝えると決めている。

 「お店、最後までやりきったよ。苦労をして商売して、私たち娘を育ててくれてありがとう」

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