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日本唯一の「海の上の病院」が23年ぶり新造 瀬戸内海の離島医療守る「済生丸」4代目が15日に就航

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日本唯一の「海の上の病院」が23年ぶり新造 瀬戸内海の離島医療守る「済生丸」4代目が15日に就航

治療より早期発見

 済生丸は昭和37年、瀬戸内海の無医島のため、社会福祉法人済生会が就航させた。3代目は平成2年から愛媛、広島、岡山、香川4県65島で延べ約27万7千人を診療し、老朽化のため昨年11月末に引退した。

 新船(180トン)は総工費6億6千万円で建造された。デジタル式のエックス線撮影室や乳がん検診のマンモグラフィーを備える診療室を整備。スムーズな車いす移動ができるようにバリアフリー化し、高齢者ため、船内にエレベーターを新設した。

 運営を担当する岡山市の瀬戸内海巡回診療事業推進事務所の渡辺道夫所長は「高齢者が多い離島医療は治療より検診が重要。実際に済生丸の検診でがんが早期発見されたと感謝されることが多い。なくてはならない存在」と話す。

廃止論議を乗り越え

 済生丸は平成7年の阪神大震災では渋滞する陸路を避けて海上から救援物資を被災地に運搬。昨年10月にはフジテレビ系で「海の上の診療所」としてドラマ化もされた。

 だが、3代目は耐用年数(約14年)を大幅にオーバーした老朽船ながら、財政難で新造がままならなかった。「就航当時に比べ、各島の交通アクセスは向上。緊急搬送システムも整備され、状況は変わった」として一時は廃止も検討されたという。

 しかし、診療船がなくなれば医療そのものが途絶えてしまう-と島民が存続を要望。後押しされた関係4県も2億7千万円余の補助金を支出し、23年ぶりの新造が決まった。

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