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【ストリップとともに生きる(中)】本名不明の照明係「おいどん」、生活保護受けながらポスター描く「絵描きさん」…わけあり裏方さんの日が当たらぬ道、それでも作品を仕上げる

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【ストリップとともに生きる(中)】
本名不明の照明係「おいどん」、生活保護受けながらポスター描く「絵描きさん」…わけあり裏方さんの日が当たらぬ道、それでも作品を仕上げる

DX東寺で手書きのポスターを製作する”絵描きさん”(左)と、劇場で照明や音楽などの裏方の仕事をするスタッフ(右)

“わけあり”の男たち

 絶滅の危機にあるストリップ業界にも、まだ100人以上の踊り子が現役として頑張り、情熱と愛情をもって“芸事”を追求している。そんな彼女たちを舞台裏で支えるスタッフたちの存在も見逃すことはできない。彼らの多くは深い事情を抱え、しかも、日が当たることは決してない。それでも「この道一筋」で尽くしている。

 「裏方さんには、踊り子さん以上に『わけあり』の人がいます」。元ストリッパーで、現在作家としても活躍中の牧瀬茜さん(36)は話す。裏方の仕事には、企画を考えるプロデューサー、照明係、音響・音楽・アナウンス係、清掃係、チケットのもぎりなどがある。ただ、余裕のない業界ゆえ、一人で何役もこなす「オールマイティな雑用係」がほとんどだ。

 そんな裏方には、何らかの事情で夜逃げしてきたような人が多く、「しょっちゅう顔を合わせているのに本名を知らない」という人も。

愛想のない〝看板ボーイ〟

 東京・上野の小さな劇場で働く「おいどん」と呼ばれる60歳過ぎの男性従業員も、そんな裏方の一人。18歳のときに故郷の宮崎から家出同然で上京、いくつもの劇場を渡り歩いて四十数年という大ベテランだ。

 「最初は普通に名前で呼ばれていたらしいのですが、何かを聞かれて答えるたびに『おいどんは…』というので、それが通称になって、今では誰も本名を知らないんです」

 仕事は照明係だが、もちろんその他の仕事も何でもやる。開演前は看板の横に立って、客が来たら入り口まで案内する仕事もするが、なにしろ、ずんぐりむっくりの体型に、めったに笑わない強面、よれよれのシャツ、くたびれたズボン…という外見。「随分と愛想のない看板ボーイだと思う」と牧瀬さんは笑う。

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