産経WEST

【西論】橋下維新の停滞…「民」「公」の意義を問い直すとき 大阪ダブル選2年 編集長・堀川晶伸

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【西論】
橋下維新の停滞…「民」「公」の意義を問い直すとき 大阪ダブル選2年 編集長・堀川晶伸

 前者の議案で市が目指していたのは幼稚園運営からの撤退だった。一方、後者の目的は、大阪市立大と府立大の統合。さらに今年6月には、市の水道事業を府内のほかの42市町村が運営する大阪広域水道企業団と統合する計画が、橋下氏の提出議案としては就任後初めて否決されている。

 この半年でつまずきを見せ始めたかにみえる「橋下改革」。原因はどこにあるのだろう。

 理由として「大阪維新の会」の失速を指摘する声は多い。両氏はダブル選から1年足らずで「日本維新の会」の結成を宣言。昨年末の衆院選で54議席を獲得した。しかし、今年5月の橋下氏の「慰安婦発言」が逆風となり、7月の参院選は8議席と低迷。9月の堺市長選で擁立候補が敗北して「大阪不敗神話」が崩れ、維新への熱気が薄れたという見方が“定説”だ。

 だが、それだけで挫折の全てを語ることはできない。その背景には、維新が目指す「改革」が、生活の身近な分野に及び始めた今、住民に“とまどい”が生じていることがうかがえる。

市場原理への不安

 橋下氏が市長に就任後、まず手がけた改革は、教育行政への首長の関与をうたった教育関連条例や、職員の評価や処分を厳格化する職員基本条例の制定、二重行政を仕分けする府市統合本部の立ち上げだった。市職員の労働組合の政治活動への批判や、ダブル選直後の「大阪を変える」という有権者の期待に応えた施策であり、維新への追い風を受け止める帆となった。

 しかし、否決された施策は、それらと性格を異にしている。共通するのは生活に関わりの深いインフラのあり方を変える施策であり、手段として、効率化とコスト削減という市場原理の手法が組み込まれている点だ。

水道18年間かけ221億円、幼稚園廃止で年25億円

「産経WEST」のランキング