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【関西の議論】「ノーベル賞受賞研究でも間違っていたことはある」 エゴイスティックでも定説打ち破れ!ノーベル賞に最も近い71歳・本庶博士の「喝」

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【関西の議論】
「ノーベル賞受賞研究でも間違っていたことはある」 エゴイスティックでも定説打ち破れ!ノーベル賞に最も近い71歳・本庶博士の「喝」

 「研究者の人生はエゴイスティック」。今年度、文化勲章を授与され、日本で最もノーベル賞に近い研究者の一人とされる京都大客員教授の本庶佑(ほんじょ・たすく)博士(71)は、自身の研究生活をこう振り返る。生物の体内に侵入した細菌やウイルスなどを撃退する免疫の研究で世界的な業績を打ち立てた分子免疫学の第一人者。「定説を覆す研究でなければ科学は進歩しない。歴史に残ることもない」と、次世代を担う若い研究者に喝を入れる。毎回ノーベル賞候補に挙げられるが「ノーベル賞に輝いた研究の内容が、後で間違っていたと判明したこともある」と笑い飛ばす。日本が誇る「知の重鎮」の眼光は今も鋭い。

常に未知の分野へ

 「面白いことを見つけると、ほかのことは忘れてしまう。そして、なかなかあきらめない」。文化勲章の受章決定会見で自らの性格をこう分析した本庶博士。その研究者人生は「誰もやらなかったことへの挑戦」の連続だった。

 京都大大学院医学研究科で学んでいた大学院生のころ、ジフテリア毒素が細胞を死滅させる仕組みを明らかにした。当時まだ解明されていなかった課題に取り組み、粘り強く実験を続けた成果だった。

 「誰も知らないことを明らかにすることの楽しさに魅了された」。昭和46(1971)年には、新たな挑戦として遺伝子の研究を進めるために渡米。その過程で免疫というテーマに出会った。

 米国で最先端の研究に取り組むうち、「日本でも本格的な研究を立ち上げなければ」と感じるようになり、49年に帰国。東京大医学部助手となり、生物の体内に侵入した異物を撃退するため複数種類の抗体が作られるという免疫の仕組みの解明に挑んだ。当時、まだ謎に包まれていた分野だった。

保守的な学界…一方で「数年程度で結果の出る研究が求められる傾向、残念だ」

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