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【西論】再審請求審は可視化せよ…裁判員時代にふさわしい「誤審救済システム」構築のために 編集長・井口文彦

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【西論】
再審請求審は可視化せよ…裁判員時代にふさわしい「誤審救済システム」構築のために 編集長・井口文彦

 日本は三審制の国である。地家裁など1審判決が不服であれば高裁に控訴し、これも不服なら最高裁に上告できる。上告審判決は確定判決となり、刑事裁判で有罪なら刑が執行される。

 実はこの枠外にもう一つ、仕組みがある。再審(裁判のやり直し)だ。

 確定判決が誤りであるなら救済されねばならない。死刑判決だと取り返しがつかない。有罪確定後であっても確定判決を覆す新証拠が見つかれば裁判をやり直す。これが再審である。

 が、再審の乱発は確定判決の信頼を揺るがし、事実上の四審制になりかねない。だから再審は認められにくい。「開かずの門」と言われる所以(ゆえん)だ。

「例外的」乏しい規定

 昭和36(1961)年3月、三重県名張市で5人が殺害された毒ぶどう酒事件。最高裁(第1小法廷)は10月、死刑囚の再審請求を認めないと決定した。実に7度目の再審請求だが、今回は結論確定まで11年半も要した。審理がきわめて複雑な経過をたどったからだ。

 「犯行に使用された農薬は、死刑囚が自白したものとは別だった可能性がある」。弁護側が請求根拠としたこの新証拠の価値を名古屋高裁はいったん認め、再審開始決定を出した(平成17(2005)年4月)。しかし検察の異議に同高裁の別の裁判体が応じ、決定を取り消す(18年12月)。弁護側の特別抗告に最高裁(第3小法廷)は「科学的な解明がなされていない」と審理を同高裁に差し戻す(22年4月)。差し戻し審で同高裁は再び再審開始決定を取り消し(24年5月)、弁護側の特別抗告を受けて今回の最高裁決定となった。

 再審開始決定に検察が異議を申し立て、取り消されれば弁護側が異議を唱える。入り口でこんな攻防が繰り返され、高裁の開始決定から取り消し確定まで8年超も経(た)った。異様である。

発生52年、死刑確定40年超…しかも「すべて非公開」という異様

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