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【浪速風】原点の「ソーライス」を思い出せ(10月28日)

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【浪速風】
原点の「ソーライス」を思い出せ(10月28日)

 昭和4(1929)年に梅田に開業した阪急百貨店は大食堂が売り物だった。なかでも20銭のライスカレーが人気を集めたが、ほどなく昭和恐慌が起きる。ライス(5銭)だけを注文して、卓上のウスターソースをかけて食べる客が多くなった。これでは商売にならない、と店は音を上げた。

 ▼阪急グループの総帥、小林一三は「ライスだけのお客さまを歓迎します」と貼り紙を出させた。「確かに今は貧乏だ。しかし、やがて結婚して子供を産む。そのときここで楽しく食事したことを思い出し、家族を連れてまた来てくれるだろう」。客は「ソーライス」と呼んで、阪急百貨店は評判を高めた。

 ▼ブランドの原点である。小林はこうも言っている。「出世の道は信用を得ることである。第一に正直でなければならぬ。第二は礼儀を知っていなければならぬ。第三はものごとを迅速、正確に処理する能力がなければならぬ」。阪急阪神ホテルズの経営陣にも伝承されているはずだが。

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