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【大阪の教育は輝くのか 第4部・高まる英語熱(4)完】入試英語「スピーキング」導入は大学“パンドラの箱”…国際リーダー育成しなければ「日本は終わる」

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【大阪の教育は輝くのか 第4部・高まる英語熱(4)完】
入試英語「スピーキング」導入は大学“パンドラの箱”…国際リーダー育成しなければ「日本は終わる」

 「先生、スピーキングは入試に出ないから無駄じゃないですか?」。大阪府立高校の男性英語教諭(57)は、生徒からこう言われてショックを受けた。教諭は生徒の「話す力」を伸ばすため、授業はできるだけ英語で行い、生徒が英語で話す時間も積極的に設けてきた。しかし、生徒は「入試に必要な和訳や文法問題の解き方を教えてほしい」と求めてきた。

 「大学入試に求められる英語力は、言語を習得する上で明らかにバランスがおかしい」4年後の府立高校入試から、従来の「読む・書く・聞く」に加えて「話す力」も問うことを決めた大阪府教委の中原徹教育長は、強く感じている。

 2020年東京五輪・パラリンピック招致では、英語やフランス語で熱い思いを伝えた佐藤真海(まみ)さんや滝川クリステルさんのスピーチが大きな反響を呼んだ。中原氏は「自分の言葉で情熱を込めて伝えることの重要性を、まざまざと見せつけられた」と話す。

 グローバル人材の育成には「使える英語」を身につけさせることが最低要件だ。英語が話せて初めて、国際的な舞台でコミュニケーションが図れる。しかし、今の入試英語は、むしろグローバル人材の育成を阻害している側面がある。

 中原氏は歯がゆさをにじませながら語る。「今、日本人が思っている最低限の英語力は、世界から見ると低すぎるんです」

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 批判を浴びる入試英語だが、変革に向けた模索も始まっている。京都工芸繊維大(京都市左京区)の羽藤(はとう)由美教授(応用言語学)は、数年前から、大学入試で話す力を問う試験導入の可能性を探っている。

 きっかけは学生の一言だった。「スピーキングがないTOEIC(トーイック)検定は満点に近い点数が取れるのに、英語は全く話せない。このままでいいんだろうか」

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