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【衝撃事件の核心】自殺生徒の両親を激怒させた元顧問の「電話」…桜宮高体罰問題はこうして刑事事件に発展した

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【衝撃事件の核心】
自殺生徒の両親を激怒させた元顧問の「電話」…桜宮高体罰問題はこうして刑事事件に発展した

 「どんな罰も受け入れます」。法廷でそう語った元顧問は執行猶予付き判決に深々と頭を下げた。大阪市立桜宮高バスケットボール部主将の男子生徒=当時(17)=が体罰を受け自殺した事件で、大阪地裁は9月26日、傷害と暴行の罪に問われた元同校教諭で同部顧問だった小村基(はじめ)被告(47)=懲戒免職=に懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。閉廷後に「教師として、男子生徒の気持ちをもっとおもんぱかるべきだった」と語り、控訴しない意向を示した小村被告。だが、生徒の自殺直後は、現場復帰への甘い期待を抱いていたという。体罰が原因で生徒が自殺したことを、あまりにも軽視しすぎていたのではないか。「心の傷を傷害罪として評価すべきだった」「日本はスポーツ政策後進国だ」。専門家らが口々に指摘するように、今回の事件がもたらした教訓は、重い。

「復帰を許してくれるか」

 男子生徒が自殺して間もない今年1月5日のことだった。生徒の両親の元に1本の電話が入った。小村被告だった。「今日の話を校長にしてよいか」。唐突な話に両親はいったん電話を切った。

 今日の話-。この日、小村被告は1人で遺族宅を訪れていた。両親は追い返すこともできず、さまざまな話をした。

 息子の自殺は小村被告に原因があると思っていたが、小村被告にも妻と2人の子供がいる。ちゃんと処罰を受け、反省をすれば、体罰をしない指導者として戻ればいいのではないか。そんな話をした覚えはある。しかし-。

 約5分後、再び電話が鳴った。「何の話なのか」「まさか復帰の話か」。疑念を抱きつつも耳を傾けると、「復帰を許してくれると話してよいか」。遺族から現場復帰の了承を得た、と報告することへの許可を得る電話だった。

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