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【舞台の遺伝子】日本一の飯炊き仙人 銀シャリ屋・ゲコ亭

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【舞台の遺伝子】
日本一の飯炊き仙人 銀シャリ屋・ゲコ亭

 「きょうの米ときのうの米は違うんや。同じように扱ったらあかん」。“飯炊き仙人”こと村嶋孟(つとむ)さん(82)の言葉を、数人のスタッフが一字一句漏らさず書き留めようとノートにペンを走らせる。

 堺市堺区の大衆食堂「銀シャリ屋 ゲコ亭」。50年にわたって「日本一うまい」といわれる極上の“銀シャリ”を炊き上げ提供してきた村嶋さんが引退し、全国に「まいどおおきに食堂」を展開する「フジオフードシステム」(大阪市北区)がのれんを引き継ぐことになった。今はその継承期間である。

 手製のレンガのかまどに3升炊きの大釜が4つ。上半身裸の村嶋さんはひとときも離れることなく、体を動かし続けている。眼光鋭く、無駄な動きはない。

 火を止め15分ほど蒸らした後、蓋をあけると、大釜は白い湯気を吐き出し、やがて一粒一粒「米が立った」状態の見事な銀シャリが姿を現す。

 「言葉ではよう言わん。見て盗んでくれとしか」

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