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【関西の議論】〝雨漏り〟で濡れた「国宝仏像」、奈良国立博物館の〝衝撃〟と〝危機管理〟

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【関西の議論】
〝雨漏り〟で濡れた「国宝仏像」、奈良国立博物館の〝衝撃〟と〝危機管理〟

 奈良市内で8月の観測史上最高を記録した局地的豪雨の影響で、奈良国立博物館の旧本館「なら仏像館」が雨漏りし、国宝の薬師如来座像(平安時代)など同館所蔵の仏像がぬれる被害に見舞われた。雨漏りの詳しい原因は調査中だが、建物や展示ケースの老朽化のほか、雨どいを建物の内側に設けるという明治期の設計の構造的な問題も指摘されている。近年は地震や台風などの天災から歴史的文化財を守る機運が高まっている。そんな中で今回の雨漏りは「想定外」とする意見もあるが、文化財の宝庫である古都・奈良の「危機管理」のあり方が改めて問われているといえそうだ。

雨どいが容量オーバー

 「短期的な集中豪雨で、雨水を排出する雨どいの水位ラインが限界を超え、建物の脆弱(ぜいじやく)な部分から雨水が中に浸入したのではないか」

 奈良国立博物館の建物管理責任者は、国宝の仏像がぬれるなど甚大な被害をもたらした雨漏りの原因についてこう語った。

 なら仏像館は明治27(1894)年に完成したれんが造りの建物。国の重要文化財に指定されている。雨漏りがあった場所は建物の四隅のうちの3部屋で、他の部屋は問題がなかった。

 豪雨があったのは8月5日午後。奈良地方気象台によると、奈良市内は短時間で激しい豪雨に見舞われ、1時間の降水量が58ミリと、8月の観測史上最高を記録した。

 博物館によると、午後2時半ごろ、旧本館の銅板ぶきの屋根の隙間から雨水が入り込み、一部がガラス製の展示ケース内に侵入したとみられる。

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