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手書き速記、国会や地方議会でも廃止の波

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手書き速記、国会や地方議会でも廃止の波

 日本の速記の歴史は130年を超える。西洋文化の一つとして明治15年に講習会が開かれたのが最初の記録だ。23年の帝国議会開設と同時に衆院と貴族院で手書き速記を採用。大正7年には両院に速記者育成機関が設けられ、戦後は衆参それぞれの養成所で人材が育成された。

 しかし、養成所は衆参ともに平成18年度で廃止され、会議録作成も新方式に切り替えられた。参院は20年1月から審議をモニターに中継し、担当職員が音声と映像を見ながらパソコンで入力する仕組みに変更。衆院では23年4月に音声を自動的に文字化する「音声認識システム」を導入した。現在では両院とも手書き方式は、本会議や予算委員会など速報性が求められる会議に限られている。

 全国の地方議会でも、両院の養成所廃止で人材確保が難しくなったことなどから、22年度までに24都道府県議会で手書き速記は廃止された。近畿では兵庫県議会が23年6月議会から廃止し、録音した音声データを外部業者に委託して書き起こしている。議会事務局の担当者は「手書き速記に比べて記録の精度が落ちることもなく、問題はない」という。大阪府議会も23年度末で速記のできる職員はいなくなり、現在は委託業者が音声認識システムを持ち込むなどして記録をとっている。

 日本速記協会(東京)が昭和41年から年4回実施している速記技能検定(1~6級)の志願者も、ピークの45年の計9230人に対し、平成14年には千人を切り、24年には509人に落ち込んだ。

 担当者は「人間の話し言葉は判然とせず、話した通りに文章にしても読みやすくなるとはかぎらない。文章を整えた上で臨場感を伝えることができる手書き速記の良さを知ってほしい」と話している。

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