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【衝撃事件の核心】「公務員が人を殺した!」 判決が示した部活「柔道死」の中身 残った遺族の不信感

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【衝撃事件の核心】
「公務員が人を殺した!」 判決が示した部活「柔道死」の中身 残った遺族の不信感

 だが、大津地裁はこの請求を棄却。過去の判例を挙げ、国家賠償法に基づき「公務員の職務上与えた損害で、個人として責任を負うことにはならない」とした。

 柔道指導者の義務を明記

 弘美さんの兄で「全国柔道被害者の会」を設立した義弘さん(51)は、「一定の評価はできるが、判決を書くための最低限の判断しかされていない。遺族の主張全てに対して判断を下すべきで、安易な判決と言わざるを得ない」と、判決を一蹴した。

 一方で、義弘さんが評価したのは、判決に部活動の指導者の義務が明記された点だ。

 (1)生徒の実態に応じた合理的で無理のない活動計画を作成する義務(2)練習中にけがや事故が生じないように練習で生徒が確実に受け身を習得することができるよう指導する義務(3)部員の健康状態を常に監視し、異常が生じないように配慮し、必要に応じて医療機関への受診を指示または搬送を手配すべき義務-がそれだ。

 ただ、明記をしながら、今回の事故に関して判決で検証されたのは(3)のみだった。水分補給で異常な行動を取ったことを挙げ、「意識障害が生じている可能性を認識し得た。この時点で練習を中止させ、医療機関を受診する義務を怠った」などとしている。だが、そもそも初心者にそぐわない「しごき」だったのではないかという疑問に答える(1)や(2)には触れなかった。

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