産経WEST

【衝撃事件の核心】「公務員が人を殺した!」 判決が示した部活「柔道死」の中身 残った遺族の不信感

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【衝撃事件の核心】
「公務員が人を殺した!」 判決が示した部活「柔道死」の中身 残った遺族の不信感

 その後、町は第三者調査委員会を設置。事故原因の究明などに当たったが、「(初心者には)厳しい指導だったが事故との明確な因果関係は不明」などと、踏み込んだ回答はなかった。

 このため弘美さんは「講師は安全配慮義務を怠った」として23年3月、顧問と町に約7600万円の損害賠償を求め、提訴した。

「なぶり殺されたようなもの」

 町側は当初、全面的に争う姿勢を見せたが、後に顧問の過失と町側の賠償責任を認めて和解を申し入れた。しかし、「日常的な暴力があった」「校長にも日常の練習をチェックする監督責任がある」と主張する遺族側と折り合わず、判決を迎えることとなった。

 「事務的な判決。責任の所在が深く言及されておらず、とても不服」。判決後の会見で、弘美さんは怒りで手を震わせながらこう話した。判決と弘美さん側との認識のかい離は大きい。

 弘美さんは「なぶり殺されたようなもので苦痛は計り知れない」などとして、顧問による日常的暴力を主張していたが、判決は「部員を平手でたたいたり尻を蹴ったりしたことは認められる」とする一方、証人となった部員の供述が変遷しているとして「日常的暴力を振るっていた事実を認めるに足りる証拠はない」と退けた。

 また、校長の監視義務についても、「判断するまでもない」と深く言及されなかった。

 さらに、教員らの過失については当該自治体の教育委員会を訴えるのが通例だが、弘美さんは「練習に無理があり、生命に危険を及ぼす恐れがあった。職務の範囲を逸脱している」として、民法に基づき顧問個人の不法行為責任を問うた。

「産経WEST」のランキング