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【衝撃事件の核心】「公務員が人を殺した!」 判決が示した部活「柔道死」の中身 残った遺族の不信感

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【衝撃事件の核心】
「公務員が人を殺した!」 判決が示した部活「柔道死」の中身 残った遺族の不信感

 大阪市立桜宮高校での体罰や女子柔道代表選手らに対する暴力行為と、スポーツ指導のあり方が社会問題化する中、注目すべき判決が今月14日、大津地裁で言い渡された。滋賀県の町立中学校で柔道部の練習中、当時の顧問に投げられて意識不明となり、その後亡くなった部員の遺族が顧問らに損害賠償を求めた訴訟。判決は、町に約3700万円の支払いを命じ顧問の過失を認定する一方で、顧問の賠償責任は認めなかった。部活中の「柔道死」の背景には何があったのか? 判決文から真相を追った。(加藤園子、小川勝也)

気温30度超の柔道場で

 事故は平成21年7月、滋賀県愛荘(あいしょう)町立秦荘中学校で起こった。死亡したのは1年の村川康嗣君=当時(12)。県内有数の強豪だった柔道部の中で、初心者は康嗣君ともう1人だけ。康嗣君は173センチの“長身”だったが、ぜんそくの持病があり、母の弘美さん(45)は当時の男性顧問(30)に練習メニューなどに配慮を求めていた。

 事故当日の7月29日、柔道場内は気温30度を超えていた。1年生にとって初めての乱取り練習。顧問が水分補給を指示した際、康嗣君は水筒の置き場とは違う方向に歩くという異常な行動をとった。その後、顧問が相手となって乱取りを続けたが、顧問が康嗣君の大外刈りを返し技で倒した瞬間、康嗣君の意識がなくなった。

 康嗣君はすぐ病院に搬送されたが、約1カ月後の8月24日に死亡。死因は急性硬膜下血腫だった。

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