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【関西の議論】消えるキャバレー、消える「昭和」、消える“情”…客を見詰め続けたホステスたちは文化を守った

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【関西の議論】
消えるキャバレー、消える「昭和」、消える“情”…客を見詰め続けたホステスたちは文化を守った

 しかし、戦後の高度経済成長が終わりを告げ、その後にバブル経済が弾けると一転して下火に。バンドの演奏やダンスがなく、20代中心の女性による短時間の接待をする店舗など安価で気軽に通える店舗が台頭。繁華街から1つ、また1つとキャバレーのネオンが消えていった。

「20~30年選手なんてざらよ」

 今年2月には札幌の繁華街・すすきのの「札幌クラブハイツ」が閉店した。40年以上の歴史を持つ日本最大規模の店舗で“キャバレー界の顔”ともいわれ、営業終了日には大勢の客が詰めかけ、別れを惜しんだ。

 現在、大型のキャバレーが残っているのは大阪と東京のみといわれ、大阪にも時代の波は押し寄せている。かつてはミナミ(中央区)、京橋(都島、城東区)、キタ(北区)に数々のキャバレーが軒を連ね、「三大繁華街」ともいわれたが、閉店が続き、現在ではミナミと京橋が中心となったという。

 ミス大阪は昭和12年にミナミの日本橋でオープンし、20年代初めに現在の場所に移転。戦後の復興期を生き抜き、日本の経済成長とともにぐんぐんと客足を伸ばした。昭和37年には、店に入りきれないほどの客が連日押し寄せて長蛇の列を作り、目の前に新店をオープンしたがこちらも連日満員。しかし、ほかのキャバレーと同様、長引く不況とともに客足は減る一方だ。

 記者が入店し、「ナンバーワンの方をお願いします」とオーダーすると記者の向かいに腰を下ろしたのがユウコさんだった。「よろしくお願いね」。肩までの黒髪に、ドレスではなく、腕があらわになった少し派手な外出用といった服装。57歳という実年齢よりもずっと若く見え、「お客さん若いね。こんなおばちゃんでごめんね」と気さくで柔らかい笑顔を浮かべた。

 しばらくするとほかに2人の女性が席についた。45歳と60代で、3人の合計年齢は150歳以上。「キャバレーは20~30年選手なんてざらよ。男の出世と一緒に長く付き合うの」と顔を見合わせて艶やかに笑った。

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