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【タイガース血風録 猛虎水滸伝】「オヤジ、打ったぞ!」岡田、父に捧げる涙の追悼弾(水本義政)

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【タイガース血風録 猛虎水滸伝】
「オヤジ、打ったぞ!」岡田、父に捧げる涙の追悼弾(水本義政)

 「オヤジ、打ったぞ!」。岡田の目に涙が光っていた…。

【12年前に田淵幸一もまた亡き父に…】岡田の3ランは六回表に出た。すでにこの時に阪神は6失点で、まだ2点ビハインド。そのまま試合には負けた。

 「あきのぶ、あきのぶ」と、父勇郎さんは呼び続けて天国に旅立っていったというから岡田にとっては、このホームランは何よりの供養ということになる。

 実は、この12年前の74年9月15日に田淵幸一の父・綾男さんが亡くなっている。

 その日に大洋戦(甲子園)に田淵は悲しみをこらえて出場し、38号、39号を放つ。翌16日にも40号を打ち、その夜の夜行列車に飛び乗り東京へ。

 17日の父の葬儀に出て見送り、その足で中日戦(ナゴヤ)に駆け戻り、なんと41号を天国の父に届け…とばかりに放った。

 「オヤジには心配ばかりかけた」

 田淵幸一もまたハラハラとそこで落涙する。

 阪神のヒーロー伝説には憎めないヤンチャ小僧が少なくない。だけど、彼らの素晴らしいのは、ここぞというところではちゃんとドラマを演じてくれたのである。それは泥臭く、人間臭く、それでいて、なんとなく愛しい。

 藤浪晋太郎が多分、これから歩むであろう道もまた…。(敬称略、サンケイスポーツ)

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