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【大阪国際女子マラソン】快挙生んだ給水の「バトン」

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【大阪国際女子マラソン】
快挙生んだ給水の「バトン」

 レース中に受け取った給水の「バトン」。日本選手トップの快挙を生んだのはライバルとの絆だった。27日の大阪国際女子マラソンで2位に入った福士加代子(30)=ワコール。「三度目の正直」とはならなかったが、二度の屈辱を味わった大阪で自己ベストを更新し、8月の世界選手権(モスクワ)出場に望みをつないだ。「周りに助けられた」。そう語った「主役」の表情はマラソン初優勝を逃した悔しさよりも充実感にあふれていた。

 レース序盤の5キロを過ぎた最初の給水地点。福士が伸ばした右手からスペシャルドリンクのボトルがするりと落ちた。焦りと動揺を隠せない福士の様子に、先頭集団で併走する渋井陽子(33)=三井住友海上=がすぐに気づいた。「水だけど、これ飲んで」。

 渋井が手渡したのは、自分の給水ボトル。少し口に含んだ後、大きく後ろを振り返り、緑色のボトルを渡した。隣で走る小崎まり(37)=ノーリツ=にも「私のも飲む?」と声をかけられ、福士は「ありがとう」と笑顔で返した。

 「これで2人がダメだったらどうしよう…」。レース後の会見で福士は給水を受け取ったときの心境を素直に語ったが、「あの2人がいたから精神的にすごく安定していました」と振り返った。

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