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【関西事件史】取材ヘリ空中衝突事故 一度ならず二度までも

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【関西事件史】
取材ヘリ空中衝突事故 一度ならず二度までも

 この後も、加古川・姫路バイパスでの重大交通事故続発(8月)や、グリコ犯による森永製菓脅迫(9月)、運転士の飲酒・居眠り運転による国鉄(現JR)西明石駅でのブルートレイン(寝台特急)脱線転覆事故(10月19日、計32人負傷)と、大事件・事故が続くのだが、とにかく疲労が極限状態にあるときに事故は起きた。

 その日昼前に明石市で会社事務所が襲われて現金約670万円が奪われる強盗事件があり、夕刊に原稿を送り終えてほっとした直後だったと思う。地元紙である神戸新聞の先輩記者が県警広報課に飛び込んできた。

 「明石の現場でヘリが衝突したと言ってきた。情報入ってる?」

 事故の概要はこうだ。その強盗事件を取材していた毎日新聞のヘリと、朝日放送がチャーターしていたヘリが空中で接触し、双方とも墜落した。朝日放送機は大破して乗員3人が死亡。毎日機も大破したが、乗員3人は奇跡的に負傷ですんだ。

 衝撃的だったのは、共同通信が配信してきた写真だった。事故では毎日機のメーンローター(主回転翼)が、ホバリング(空中停止)しながら取材をしていた朝日放送機の最後部(テール)を切断したのだが、まさにその瞬間を子供と散歩中だった明石市の男性が偶然写真に撮っていたのだ。

 ヘリはメーンローターで上昇、飛行するが、最後尾にあるテールローター(尾回転翼)によって機体が一緒に回らないようバランスを取る。このテールローターがなくなったことで、朝日放送機は機体がメーンローターに引っ張られて高速回転し、制御不能になり墜落したとみられた。

 「ヘリ2機がランデブーのようにアングルに入ってきたので、珍しいと思いシャッターを押した」。男性は当時、そう語っていたが、写真では破片が飛び散る様子まで鮮明にとらえられていた。ちなみにこの写真は、同年の報道写真賞を総なめにしたと記憶している。

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