「海道東征」の神髄、余さず 大阪でコンサート 11月8日 - 産経ニュース

「海道東征」の神髄、余さず 大阪でコンサート 11月8日

指揮者の福島章恭
 神武天皇の建国神話をテーマにした壮大な交声曲「海道東征」を全曲演奏するコンサート「交声曲『海道東征』」(産経新聞社主催、滋慶学園グループなど協賛)が11月8日、大阪市北区のザ・シンフォニーホールで開かれる。大阪では4回目の公演。タクトを振る大阪フィルハーモニー合唱団の合唱指揮者、●(=示へんに福のつくり)島章恭は「オーケストラの演奏、合唱の素晴らしさの両方を堪能していただければ」と意気込んでいる。
(岡田敏一)
 神武天皇の「東征」を題材に日本建国神話を格調高く描いた交声曲。昭和の音楽史の礎を築いた作曲家、信時潔(のぶとききよし)が作曲、詩人の北原白秋が作詩した。神武天皇即位を紀元とする皇紀2600年を祝おうと、昭和15年につくられ、その年に東京で初演された。
 独唱、合唱、管弦楽で構成される全8章、約1時間の大作だが、●(=示へんに福のつくり)島は「よくぞ指名いただいたという喜びの気持ちでいっぱいです」。CDなどで音源を何度も聴き、楽曲の持つ個性や深みに魅了されたという。
 「昭和15年に、この楽曲を作り、よく演奏できたなと感動します。当時、視力も落ち、文字通り“命を削る覚悟”で書いた北原白秋の歌詞の力も相まって、鬼気迫るエネルギーを感じます」
 さらに「牧師の息子として育った信時らしく、ハイドンのオラトリオ(聖譚曲)のように、西洋音楽のミサ曲を思わせる瞬間があるのも興味深い」と分析。「信時が実直で虚飾を嫌い、新奇な和声を遠ざけているので、とてもシンプル。それだけに、演奏の際は楽譜に忠実であらねばならないという難しさもある」と語る。
 合唱パートを担う同合唱団を平成27年から指導。これまで以上に合唱にも耳を傾けてほしいと願っている。「就任時、世界に通用する合唱団にしようと宣言しました。単に音楽を作るだけでなく、理想の声づくりのため、日常、使わない筋肉を鍛える体力づくりにも力を入れた」と振り返る。
 今回は4回目の公演となるが、「合唱団のレベルが格段に上がっています。『海道東征』という格調高い作品の神髄を余すところなく描きたい。過去に足を運んでくださったみなさんにも、新たな光をお見せできれば」と力を込めた。
 ソリストは、日本を代表するソプラノ歌手で初回から出演している幸田浩子ら。管弦楽は大阪フィルハーモニー交響楽団。合唱は同合唱団と大阪すみよし少年少女合唱団が務める。S席8千円、A席7千円。問い合わせは産経新聞社事業本部(06・6633・9254)。