関空被害、経済損失1日数十億円 SMBC日興証券試算

台風21号
訪日外国人が減って閑散とする大阪・道頓堀=7日

 台風21号による高潮被害で関西国際空港が一時閉鎖されたことを受け、経済損失の規模が注目されている。現在もA滑走路の閉鎖が続いており、完全復旧までには長期間を要する。民間の金融機関などが独自に試算する損失額は1日あたり数十億円にのぼり、関空が関西経済に果たす役割や重要性が改めて浮き彫りになっている。

 SMBC日興証券は、関空の国際線が一時閉鎖され、現在も大幅減便となっていることから、最大で訪日外国人客が1日あたり2万人減り、その消費額は1日あたり24億円減少するとの見方を示した。

 一方、国際線の閉鎖・減便が企業活動に与える影響について、9月は生産活動や輸出入に悪影響が出る可能性があるものの、他の空港の代替利用や、その後の挽回生産によって解消されると予想している。

 宮前耕也シニアエコノミストは「企業は代替輸送手段を確保することで、一時的なコスト増にはなるが、企業活動そのものは継続できる」と話した。

 シンクタンクのアジア太平洋研究所(大阪市北区)は、関空が1カ月間閉鎖したと仮定した場合の経済損失を500億~600億円と試算した。実際には7日にB滑走路の運用が再開されたが、A滑走路は閉鎖され、損失の拡大が続いている。

 同研究所は「訪日外国人客は関西経済への貢献が大きい。経済の好調を持続させるためにも関空の早期復旧が不可欠」としている。

 同研究所によると、平成29年の訪日外国人客による経済効果は、関西では前年比2割増の8314億円にのぼった。関西の域内総生産(GRP)の約1%を占めるという。

 関空の外国人入国者数は成田空港に次いで国内2位。アジアからの入国者は日本の空港で最も多い。