松山刑務所脱走の受刑者に懲役6年求刑 検察側「身勝手で自己中心的な動機」

 
平尾龍磨被告

 愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から4月に脱走し、約3週間にわたる逃亡中に車や現金を盗んだとして、逃走や窃盗などの罪に問われた受刑者の平尾龍磨被告(27)の論告求刑公判が12日、松山地裁(末弘陽一裁判長)で開かれ、検察側は懲役6年を求刑した。

 検察側は論告で、規律違反をして刑務所の安全対策委員から外すと言われ、自尊心が傷つき挫折感を抱いたのが動機と指摘。被告が「逃走することで作業場の問題点を世に知らしめたかった」と述べた点は、「逃走の正当化で後付けの理屈だ」とし「身勝手で自己中心的な動機で、酌量の余地はない」と批判した。

 被告は起訴内容を認めており、被告人質問で、脱走中に尾道市・向島に潜伏していたことについて「警察の捜査で交通渋滞が生じ、島民の生活や通学に負担をかけたことを反省している」と述べた。

 起訴状によると、4月8日午後6時ごろ、作業場の寮1階の窓から脱走。その後、逮捕される同30日までの間、今治市内の住宅で現金約3万円や車を盗み、さらに潜伏先の広島県尾道市内の住宅や駐車場でミニバイクや健康保険証など約60点(計約31万円相当)を盗んだとしている。

 平尾被告は脱走後、尾道市・向島の別荘などに潜伏した後、泳いで本州側へ渡り上陸。尾道市内の住宅に隠れるなどし、4月30日に広島市内で身柄を確保された。