【台風21号】「電気のない生活がこんなに不便とは」携帯電話は圏外、暗くなったら寝るしかない…停電続く和歌山・有田川町 - 産経ニュース

【台風21号】「電気のない生活がこんなに不便とは」携帯電話は圏外、暗くなったら寝るしかない…停電続く和歌山・有田川町

 台風21号の上陸から11日で1週間。和歌山県内では被害を受けた各地で復旧作業が進んでいる。一方、有田川町など山間部を中心に同日夕の時点でいまだに約4千戸で停電が続く。長期化する不便な生活に悩まされる同町の住民の声を聞いた。(小笠原僚也)
有田川沿いの国道480号で倒壊した電柱の復旧工事が行われていた=和歌山県有田川町
 傾いた電柱、道路まで垂れ下がった電線、散乱した倒木…。町役場がある同町下津野からさらに東に進んだ同町楠本などの山間部。有田川沿いを走る国道480号では、台風上陸直後のような光景が広がっていた。
 片側1車線の道路は倒木や工事のため、各所で交通規制が敷かれ、携帯電話も圏外になる場所が多い。
 「仕事にならない。電気のない生活がこんなに不便だったなんて」
 同町沼の農業、中川雅弘さん(82)は、疲れをにじませる。中川さん宅は、今月4日に停電し、いまだに復旧していない。
 手塩にかけて育てたサンショウの木は、十数本が根元から倒れた。収穫シーズン真っ直中の米も、もみを乾燥させる機械が停電で使えず、収穫作業ができない状態だという。和歌山市内の知人から借りてきた発電機で何とか生活しているが、夜間の家は真っ暗なままだ。妻の米子さん(77)も「午後6時になったら真っ暗で寝床につくしかない。夜は懐中電灯がないとトイレにも行けない」と不安そうに語る。
 例年なら作物の収穫やブドウ狩りなどでにぎわいを見せるこの地域。しかし、日中はほとんど人の姿を見ることはできず、閑散としていた。
 「このままじゃ生活ができない」と、同市内の家族などのもとに身を寄せた住民も多いという。
 同町沼の50代の男性は「いつまで電気のない生活が続くのか。冷蔵庫も使えず、このままでは食べ物の保存もできない。早く復旧してほしい」と肩を落としていた。
停電が続く地域を見つめる住民=和歌山県有田川町