【宝塚歌劇団】「うれしさと不安、責任」 月組新人公演主人公演じた男役スター、暁千星 - 産経ニュース

【宝塚歌劇団】「うれしさと不安、責任」 月組新人公演主人公演じた男役スター、暁千星

宝塚歌劇団月組の新人公演「エリザベート」で主人公のトートを演じた暁千星(右)と相手役の美園さくら
宝塚歌劇団月組の新人公演「エリザベート」で主人公のトートを演じた暁千星(右)と相手役の美園さくら
 宝塚歌劇団月組公演「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」の新人公演が11日、兵庫・宝塚大劇場で行われた。入団7年目までのメンバーで上演される、1日限りの公演。入団7年目で今作が最後の新人公演となる人気男役スター、暁千星(あかつき・ちせい)が主人公の黄泉(よみ)の帝王トートを熱演した。本公演でも主要な役柄を担う期待のスターをはじめとするメンバーが、レベルの高い舞台を見せた。
名作「エリザベート-愛と死の輪舞-」
 暁にとっては2年ぶり4度目の新人公演主演作は、宝塚の名作の1つ「エリザベート」。繊細な芝居、声量たっぷりで高音域が光る歌唱、172センチの長身から繰り出すパワフルなダンスと、すべてが圧巻。美しく激しい“自分のトート”を演じきった。
 カーテンコールで暁は「うれしさと不安、責任を感じていました。実体のない役で、死としての心の動きに苦労しましたが、イメージは人それぞれ。私自身の思う死を演じようと思っていました」とあいさつ。「東京の新人公演に向け、一同、精進します」としめ、観客の拍手を浴びた。
 終演後の囲み取材では、「今日は終始、緊張していました。今は終わってホッとしています」と安堵(あんど)の笑みを見せた暁。3拍子そろったパワフルな質の高い舞台を見せたが、本人は「全然できなかった」と自分に厳しい。
「死を演じるのは難しい」
 明るい自身のイメージとは異なる役柄だった。本公演でトート役を演じる、月組トップ、珠城(たまき)りょうのように、エネルギーを内に秘め、力強くトートを演じられたらと思っていたが、「存在の仕方が難しく、いっぱい、いっぱいでした。死を演じるのは、難しい」と語る。
 もっとも本公演では、暁はトートと密に絡む皇太子のルドルフ、ハンガリー革命家、エルマーを演じている。「両方の視点からトートを見ることができ、どう存在するかの道しるべになりました」と話した。
 かつらは珠城の金髪とは異なり、自身の顔立ちに合わせ、銀色を基調にしたウエーブの長髪に。「珠城さんにもたくさん見てもらい、これを選びました」とほほ笑む。
 ダンスが得意だが、近年は歌にも力を入れる。練習法を変え、低音から裏声の高音域まで鍛え、音域を広げた。「高音域は得意なので歌い上げる場面は気持ち良かった。東京での公演までに低音域を磨きたいし、トートの葛藤やコンプレックスをもっと表現できたら」と意欲たっぷりだった。
東京宝塚劇場では11月6日に
 また、タイトルロールのエリザベートを演じた相手役の美園(みその)さくらは99期の首席で入団6年目。「私も終始、緊張していました。『エリザベート』の新人公演は特別だなと思いました」と振り返る。
 美園は、本公演の東京公演千秋楽(11月18日)付で退団する愛希(まなき)れいかの後任として、次期娘役トップに就任することが発表されている。「素晴らしい愛希さんの役を演じる責任をこれまで以上に感じています」と話していた。
 本公演で役替りでルドルフを演じるルキーニ役の風間柚乃(かざま・ゆの)、フランツ役の輝生(きお)かなで、ゾフィー役の麗泉里(うらら・せんり)、男役ながら妖艶なマダム・ヴォルフを演じた蘭世惠翔(らんぜ・けいと)ら多くのメンバーが印象を残し、質の高い新人公演となった。
 東京宝塚劇場での新人公演は11月8日に行われる。