from エジプト 避難生活送るシリア人の友人

世界の働く女性たち
スアードの家でシリア料理を囲む子供たち

 2005年から2年間住んだシリア。当時は平和でしたが、2011年からの混乱で、国外に人口の約4分の1、560万人が避難しています。

 ヨルダンで出会ったシリア人のスアードは、8歳の男の子を育てながら避難生活を送る、シングルマザーの学校の先生。アラビア語やシリア料理を教わり、平和だった頃のシリアの話で盛り上がりました。シリアに残る友人が爆撃で命を落としたと電話があった時は一緒に涙したものです。

 彼女に「なぜ両親や兄弟を残してシリアを離れたの?」と聞くと「子供のためよ。爆撃はいつあるかわからない、いつ死んでもおかしくないところよ」。その後、彼女は物価の高いヨルダンからエジプトに移住。「友人もできたのに、またこの国も離れなければならない」と号泣していました。

 昨年、私は夫の仕事の関係でエジプトに引っ越し、すぐに会いに行きました。近所にはシリア人も多く、晴れやかな表情にみえました。しかし、いつシリアに帰れるかわからない不安は常にあるようです。もし日本の実家が爆撃されたら、もし家族と会えなくなったら、もう二度と日本に帰れないとしたら…。シリアの友人を通してそんなことを考えるようになりました。

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 田村未恵さん(43) 国際協力機構(JICA)元職員、シリア難民支援がライフワーク。ICARDA(国際乾燥地農業研究センター)で働く夫(38)、長男(7)、長女(5)とともに昨年8月からカイロ在住。