港で車やコンテナの火災相次ぐ 高潮起因、防止策必要

台風21号
保管していた中古車などが炎上した兵庫県西宮市の人工島のオークション会場(神戸海上保安部提供)

 台風21号が直撃し、記録的な高潮に見舞われた関西地方の港湾部では、乗用車やコンテナの火災が相次いだ。都市防災の専門家は「塩分を含む海水が化学物質と反応して発熱し、火が出る」と指摘しており、冠水に起因する火災を防ぐ手だてが必要だと訴える。

 昭和36年の第2室戸台風を上回る過去最高潮位を記録した兵庫県の神戸港や尼崎西宮芦屋港。今回の台風で、浸水が原因とみられる車両火災がこれらの地区で約20件発生した。同県西宮市の人工島では、車のオークション会場が冠水。保管していた中古車など計約190台が炎上した。

 日本自動車工業会の広報担当者は「海水は真水よりも電気を通しやすく、電気系統やバッテリーから火花が散って発火することがある。浸水したらエンジンをかけてはいけない」と注意を呼び掛ける。

 実際にエンジンをかけたことが原因とみられる被害も。神戸市の高速道路では6日、乗用車が底部から出火し全焼。車は港湾部で水浸しになっていたもので、運転手は県警に「エンジンをかけたら動いた。異常音がしたので停車すると煙と炎が上がった」と説明した。

 また、港に所狭しと並べられたコンテナも被害に遭った。神戸市東灘区の人工島「六甲アイランド」では、家具やペットフードなどが入ったコンテナ6個が炎上。積み荷にはマグネシウムもあり、海水と反応して出火した可能性がある。さらに高温状態のマグネシウムは水をかけると爆発する危険性もあるため、消火活動は難航した。

 首都大学東京の中林一樹名誉教授(都市防災学)は「海水と反応する危険物があるなら管理方法を再検討するべきだ。物流拠点の港が海水をかぶることがそもそもの問題で、防潮堤の高さを考え直す必要がある」と話した。