【ビジネスの裏側】元USJの森岡氏が沖縄パークに再挑戦 2020年代前半にハワイ超える - 産経ニュース

【ビジネスの裏側】元USJの森岡氏が沖縄パークに再挑戦 2020年代前半にハワイ超える

テーマパークの沖縄進出に再挑戦する森岡毅氏。ハワイを超えるポテンシャルを持つと強調する(山田哲司撮影)
 テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の運営会社ユー・エス・ジェイでマーケティング本部長として、厳しかった経営状態を再建に導いた立役者の森岡毅氏が、USJ時代に実現できなかった沖縄でのテーマパーク開業に満を持して再び挑戦する。退社後に起業した会社「刀」が沖縄の地元企業などと組み、2020年代前半の開業を目指すという。(中山玲子)
 美しい自然が資源
 「沖縄にはハワイを超えるポテンシャルがある」
 森岡氏はユー・エス・ジェイ在籍時、新テーマパーク候補地に沖縄を選んだ理由を、こう述べていた。沖縄の青い海など美しい自然を観光資源にする戦略でパークを作れば、日本のみならず、中国や台湾などアジアから多くの観光客を呼び寄せることができる。これが森岡氏の構想だった。
 亡くなった翁長雄志知事や地元関係者の同意もほぼ取り付けたが、あと一歩のところで沖縄進出計画は撤回された。平成27年秋、米メディア大手コムキャストがユー・エス・ジェイを買収し、経営陣が入れ替わったのと同時に、今後の成長戦略も見直されたのがきっかけだった。新経営陣が、ユニバーサル・スタジオはシンガポールにあり、中国・北京にも2020年に開業予定で、系列ブランドのパークが競合してしまう可能性があるとの判断だった。森岡氏はこのとき、「沖縄はやりたかった」と悔しさを吐露している。
 悲願達成へ再始動
 あれから3年。ユー・エス・ジェイを退社して、昨年に企業の再建を手伝うマーケティング会社「刀」を設立していた森岡氏は、今年8月22日、刀が沖縄企業のオリオンビール、ゆがふホールディングス、リウボウのほか、近鉄ホールディングスとともに、沖縄パーク開業に向けた準備会社「株式会社ジャパンエンターテイメント」を設立したと発表。悲願の沖縄パークへ向け始動した。新会社の代表には、現在は刀に在籍し、かつてユー・エス・ジェイで沖縄パーク開発のプロジェクトリーダーを務めた加藤健史氏が就いた。
 高い実行力に期待
 森岡氏はユー・エス・ジェイ入社当時、約750万人だったUSJの年間入場者数を6年連続で増加させ、2倍以上の約1500万人まで引き上げた実績を持つ。平成13年にUSJは映画のテーマパークとして開業。森岡氏が打ち出した日本生まれのアニメやゲームを多用したアトラクションには当初、マスコミや関係者から開業時の理念に反するなどといわれたが、そうした批判にも揺らぐことなく、地道に集客につなげていった。
 最大のプロジェクトは、26年に約450億円の巨額を投じてオープンした映画「ハリー・ポッター」のエリアだ。このプロジェクト発案時にも、森岡氏を前職のプロクター&ギャンブル(P&G)から引き抜いた張本人であるグレン・ガンペル最高経営責任者(CEO、当時)から、会社規模に見合わない投資だとして猛反対を受けたが、結果として予想を上回る集客になった。
 周辺からの反対や批判を受けながらも、自ら打ち上げた目標をことごとく実現してきた森岡氏。
 今回、数社で準備会社を設立したが、今後さまざまな企業を巻き込んでいく考えだ。観光以外の目玉となる産業がない沖縄県にとっては、新パーク構想が実現すれば、地元に大きな経済効果をもたらす。今回も大プロジェクトを成功させてくれるのか。関係者らの期待が高まる。