「8・8」はパインアメの日 面白企画でファン開拓中 パイン社長、上田豊さん

パインアメ 長く愛して(1)
パインアメを手にするパイン社長の上田豊さん。定番商品のさらなるファン拡大を目指す(永田直也撮影)

 大阪のおばちゃんは必ず「アメちゃん」を持っている-。独特の文化が根付いた背景には、アメを手がける菓子メーカーが大阪に集積していることも関係しているだろう。昭和26年、ロングセラー商品となる「パインアメ」を世に送り出した「パイン」(大阪市)もその一つ。同社の上田豊社長(68)に人気の秘密や新たなファン開拓に向けた取り組みを聞いた。(聞き手・藤谷茂樹)

   --穴が開いたパインアメが4つ並んだ形にちなんで、8月8日「パインアメの日」としました。どんなイベントを開催しているんですか

 上田 3年前に記念日として、昨年からイベントを行っています。今年は、大阪市浪速区の「なんばHatch(ハッチ)」に444組888人を招待し、お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣(あきひろ)さん、ヒップホップグループ「ET-KING」さんらをゲストに、トークショーと歌で盛り上げました。

 --「パインアメ特命配布主任」に任命されていた西野さんが、今年は「次長」に昇格しています

 上田 西野さんが舞台でパインアメを配ってくれたことを社員が知り、弊社のツイッターを通じてつながりができたことが縁でした。お礼を伝えたところ、「10袋ほしい」とリクエストいただいたんですが、送ったのは業務用。1袋200粒もあって合計2千粒になり、西野さんを困らせてしまいました。

 --パインのツイッターはユニークなつぶやきで人気です。こうしたSNSは得意なんですか

 上田 フォロワーが11万件以上と注目されていますが、実はツイッターの見方を知らないくらい僕はデジタル音痴なんです。だから、社員に任せて、不得手なことはやりません。これを話すと、「丸投げですか」と驚かれますが、好きなことを徹底してやって強みを生かしていく。いろんな個性があった方が面白いでしょう。

 --パインアメファンを増やす地道な取り組みにつながっています

 上田 イベントも「パインアメで遊ぼう」という発想からでした。食品を扱う会社は、お客さんの「おいしいね」という言葉が大事です。一人ずつファンを増やしていき、その一人に長く愛してもらうことを目指しています。

 --「神戸屋」と共同開発した「パインアメパン」をはじめ、食品に限らず、さまざまな企業とのコラボを積極的に行い、大きな話題になっています

 上田 「人の褌(ふんどし)で相撲をとる」ようなこそばゆさもありますが、次世代の商品や会社環境を確立するため、先を広げていこうと取り組んでいます。

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 【プロフィル】上田豊(うえだ・ゆたか) 昭和24年11月28日、大阪市生まれ。47年に慶応義塾大経済学部を卒業し、食品商社に勤務。50年、父親が創業したパインに入社。常務、専務などを歴任し、平成3年4月から社長。27年から全国飴菓子工業協同組合理事長を務める。