脚本家が語る「デビルマン」などの創作秘話 「永井GO展」9月8日開幕

銀幕裏の声
永井豪とダイナミックプロ「デビルマン」(c)1972-2018 Go Nagai / Dynamic Production.All rights reserved.

 「デビルマン」「マジンガーZ」「キューティーハニー」などで知られる漫画家、永井豪さんが昨年、画業50年を迎えたことを記念した特別展「永井GO展」が9月8日、大阪市港区の大阪文化館・天保山で開幕する。代表作「デビルマン」のテレビアニメ版の脚本を手掛けたのが脚本家、辻真先さんで、後に「キューティーハニー」でもコンビを組んだ。86歳の今もアニメ「名探偵コナン」の脚本を手掛けるなど第一線で活躍する辻さんが、創作秘話を語った。   (戸津井康之)

■漫画とアニメを同時進行

 「デビルマン」(昭和47~48年)は制作当時、週刊の漫画連載と週1回のテレビアニメの放送を同時に進めていくという珍しい制作スタイルがとられた。

 アニメ版の脚本家に指名されたのは、手塚治虫さん原作「鉄腕アトム」のアニメ脚本などを担当し、アニメ脚本家の草分け的存在として知られた辻さんだった。

 昭和7年、名古屋市生まれ。名古屋大卒業後、数々のアニメ、特撮ドラマなどの脚本を手掛ける一方、推理作家としても活躍。辻さんとのコンビを永井さんも喜んだという。

 「実は、私は永井作品の大ファンで、彼の漫画はデビュー以来ずっと読んでいた。打ち合わせで初めて会ったが、想像していた通りの才能あふれる漫画家でした」と辻さんは振り返る。

 打ち合わせでは、主人公のデビルマンについては、漫画もアニメも同じキャラクターだが、敵役のデーモン(悪魔)については、漫画とアニメで異なるキャラクターを登場させることが決まった。

 辻さんは「アニメでは、毎回違うデーモンを登場させるので、永井さんには毎週、新たなデーモンの創作を依頼していた」と話す。

 それによると、永井さんが毎週、アニメ用のデーモンを何体か描き、その中から辻さんが選んだうえで、漫画と異なる物語の脚本に仕立てていったという。

■伝説キャラ創作秘話

 数々登場したデーモンの中で、最も人気の高いキャラクターとなったのが、アニメ版の第2話に登場した、頭部から翼が生えた姿を持つ女性デーモン「シレーヌ」。永井さん自身もお気に入りのキャラクターでその後、他の漫画に何度も登場させている。

 辻さんは「実は、女性のデーモンを描いてほしい、と永井さんに依頼したのは私でした」と明かし、「ギャグ漫画『ハレンチ学園』のヒロイン、忍者の末裔の美少女という設定の十兵衛などの魅力的な女性キャラクターの創作が得意な永井さんならではの女性デーモンを、私自身が見たかったからです」と理由を語った。

 「デビルマン」は漫画、アニメともに大ヒット。2人は「キューティーハニー」(49年)でも再びコンビを組むことになった。

 昨年、デビュー50年を超えたが、なおエネルギッシュに創作を続ける永井さん。辻さんは「穏やかに枯れた余生を送るような漫画家ではない」と、さらなる創作に期待を寄せる。

 自身も現役の脚本家として健在だ。「今、『名探偵コナン』の新作アニメの脚本を執筆中」と話す。

 長らく漫画、アニメ界を牽引(けんいん)してきた2人の“名コンビ復活”の日が来ることを期待したい。

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 ■「永井GO展」

 9月8~24日の午前10時~午後5時、大阪文化館・天保山(大阪市港区海岸通、大阪メトロ中央線大阪港駅から徒歩5分)で。昭和42年にデビュー以来、世代や国境を超えて支持される漫画家、永井豪の直筆マンガ原稿やスケッチなど600点以上を展示。

 初日の8日に「永井豪サイン会」(事前応募制)を開くなどイベントを予定。

 展覧会ショップでは、限定生産の「超合金魂 マジンガーZD.C.アニメカラーバージョン」の独占先行販売を行うほか、オリジナルグッズも販売する。

 イベントやグッズの詳細は公式サイト( https://nagai50ten.com/ )。

 【前売り券】一般1300円、大学・高校生700円、中学・小学生300円。当日券は200円増し。

 【問い合わせ】ハローダイヤル((電)050・5542・8600)

 主催 産経新聞社、読売テレビ、永井GO展実行委員会

 特別協力 ダイナミックプロダクション、ダイナミック企画