浸水45センチ、ドアが開かない! 豪雨の恐さと早期避難の重要性体感 大阪での訓練参加

 
豪雨体験する記者。100㍉以上では、傘を持つのがやっとだった=大阪府八尾市(鳥越瑞絵撮影)

 大雨の脅威をまざまざと見せつけられた西日本豪雨。近年はゲリラ豪雨による被害も増えており、どこにあっても防災意識と対策は必要だ。大阪府八尾市で行われた防災訓練に参加して「豪雨の中での避難」を体験して思い知らされたのは、浸水してからの避難がいかに難しいかということ。命を守るのは、事前の備えと早期避難に尽きるということだった。

地域住民ら約300人参加

 8月26日、大阪府八尾市で、「集中豪雨により市南部を流れる大和川の水位が上昇した」との想定で行われた防災訓練には、地域住民ら約300人が参加した。西日本豪雨を教訓に、台風や豪雨の際、「早期の避難がどれほど大事かを知ってもらう」(市担当者)のが狙いで、自宅からの避難訓練のほか、土嚢(どのう)づくりや豪雨が実体験できるブースも設けられた。

 訓練の様子を取材しつつ、水中歩行▽浸水したドアの開閉▽1時間あたり100ミリ以上の降雨-の3つを記者も体験。水深約20センチの人工濁流の中を歩く水中歩行は「わずか20センチ」と思っていたが、実際には相当な水圧がかかり、歩きにくかった。水は濁っているため、水底にある石や段差などの障害物は見えない。何度も転びそうになり、「これが夜間、屋外だったら…」と恐怖を覚えた。

降雨100ミリ以上…息も苦しく

 約45センチ浸水したドアの開閉にも挑戦。全体重をかけて開けようとしたが、びくともしなかった。担当者によると、体感する「重さ」は約70~80キロだという。浸水レベルを約20センチに下げてもらうと、何とか30センチほどドアを開けられたものの、外に出ようとすると水圧で押し戻され、手や足を挟まれそうになった。

 1時間あたり100ミリ以上の降雨を再現した集中豪雨体験では、強い雨風に息をするのも苦しくて、傘を持つのがやっと。雨の強さに、前を向くことさえできなかった。

 体験を通じて痛感したのは、浸水が始まってから豪雨の中を避難するのは想像以上に難しいということ。子供や高齢者と一緒の場合や、夜間にはさらに厳しい状況だと容易に想像できる。浸水前の早めの避難が大切だということが、身にしみて分かった。

 大和川が「千年に1度」の確率で降るとされる大雨で氾濫した場合、八尾市南部では最大5メートル以上の浸水被害が想定されている。訓練に参加した同市西木の本の主婦、村尾佳代子さん(62)は「備えを万全にしたい」と気を引き締めていた。(小川原咲)