【アジア大会】柔道女子63キロ級、鍋倉那美が金メダル 同郷出身の阿部一二三に負けなしの小学生時代 - 産経ニュース

【アジア大会】柔道女子63キロ級、鍋倉那美が金メダル 同郷出身の阿部一二三に負けなしの小学生時代

女子63キロ級決勝で勝利し、声援に応える鍋倉那美=ジャカルタ(共同)
 「柔道人生を変えるつもりで」と強い決意で挑んだアジア大会で金メダルを勝ち取った。30日の柔道女子63キロ級決勝で鍋倉那美(なみ)(三井住友海上)が早大4年の渡辺聖未(きよみ)(フィリピン)を倒し、3試合全てで一本勝ち。東京五輪代表争いの中でこの上ないアピールとなった。
 初戦と2試合目をともに内股で一本勝ちしたと思えば、決勝はともえ投げで技ありを奪い、最後は寝技で仕留める。幅広い攻撃で相手を攻略し、「決勝は泥くさい感じだったけどしっかり戦えた」と満足げにうなずいた。
 今年は4月の全日本選抜体重別選手権1回戦で敗れ、世界選手権代表を田代未来(みく)(コマツ)に譲った。だが、7月にクロアチアで行われた国際大会ではい上がる。決勝で2016年リオデジャネイロ五輪覇者、トルステニャク(スロベニア)から一本勝ちを奪った。日本女子の増地監督も「あの優勝が自信になっている」と目を細める。
 兵庫県出身で5歳で柔道を始めた鍋倉には柔道界で知られた“武勇伝”がある。小学生時代、同県出身で同じ21歳の男子66キロ級世界王者、阿部一二三(ひふみ)(日体大)と対戦し、一度も負けたことがない。「一二三はいつも分厚くてぱりっとしたいい道着を着ていた」。笑って振り返る同級生の活躍はいい刺激にもなっている。
 幼少期から男子に交ざって遊ぶ活発な性格で、「ガラスに手を突っ込んで何針も縫ったり、鉄棒から落ちて唇を縫ったり。なんでもやっちゃう子でした」。親元を離れ、大成中学・高校(愛知)に進学、寮生活を送ったことが柔道人生の転機に。「練習でいつも怒られてしんどかったけど一皮むけた」からこそ今の自分があると思っている。
 日本の女子63キロ級は国際舞台で不振が続き、昨年は世界選手権への代表派遣を見送られた。今年出場する田代も力が一人突出しているわけではなく、形勢逆転の機会はある。アジアで勝ち名乗りをあげ、東京五輪の代表選考につながる11月の国際大会「グランドスラム大阪」の切符を得た。2年後への道筋を確かに切り開いた鍋倉は「自分が東京五輪に出る」と力強く宣言してみせた。   (ジャカルタ 岡野祐己)