【台風20号】鉄道早めの運休 ラッシュ直撃恐れも「安全第一」 きょうも始発から見合わせ… - 産経ニュース

【台風20号】鉄道早めの運休 ラッシュ直撃恐れも「安全第一」 きょうも始発から見合わせ…

台風20号の影響で、近畿圏のJRはダイヤが大幅に乱れた=8月23日午後、大阪市北区の大阪駅(安元雄太撮影)
 23日に強い台風20号が日本列島に上陸するとの予報を受け、JR西日本は前日夜から先行して一部の路線の運休を決定するなどの対応を取った。社員に早めの帰宅を指示した企業も多く、23日午後のターミナル駅では早い時間から家路を急ぐ会社員らの姿が目立った。
 JR西は22日夜の時点で、京阪神地区と北陸、和歌山、山陰方面などを結ぶ路線を中心に特急列車の運行を取りやめ、普通電車の運行本数を減らすなどの対応を発表。実際、23日午後1時43分から湖西線の堅田-近江塩津駅間、午後3時11分から和歌山線の王寺-五条駅間、午後3時40分から阪和線の日根野-和歌山駅間の運転を見合わせるなどした。
 近鉄も22日夜に23日の一部の特急列車の運転見合わせを決定。前日から運休を決めるのは異例というが、担当者は「今回は帰宅ラッシュを直撃する可能性があり、お客さまへの影響も大きくなるため早めに広報した」と話した。23日夜は多くの路線で午後9時以降順次運転をとりやめた。
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 阪神は23日夜になって一部の運行取りやめを決定。南海も同日夕に一部の運休を決めたが、担当者は「安全が確保できるうちはできるだけ運行したい」と話していた。
 JR西では、平成26年の台風19号の際にも上陸前日に京阪神の全路線で運休を決めたことがある。この際はほかの関西の私鉄には台風の影響による大きな遅れが発生せず、JR西の対応は「空振り」になったとの批判もあったが、担当者は「急な運休は駅間停車などで余計にご迷惑をかける可能性がある。移動の予定を立ててもらうためにも前日には案内するよう努めたい」と話していた。
 JR大阪駅では23日午後、早い時間帯から帰宅する会社員らの姿が目立った。滋賀県近江八幡市の自宅へ帰る会社員、志賀秀一さん(56)は「会社からの指示で早めに退社した。7月の豪雨のときには帰宅の電車が運休になり、京都まで妻に車で迎えにきてもらった。今回は早く帰れて安心している」とほっとした表情。JRが先行して運休を発表したことには、「公共交通機関として的確な対応。本数が減って困る人もいるだろうが、安全が第一」と評価した。
 また、京都市内の職場から、大阪市生野区の自宅へ帰るという携帯販売店社員、植野彩さん(30)は「上司からの指示で、早めに退社できた。大雨の影響が出ていない時間帯に帰れたので、ほっとしている。最近、災害でダイヤの乱れることが多いが、こればかりは仕方がない」と話していた。
 関西大の安部誠治教授(交通政策論)は「鉄道は大都市の基幹的なインフラで安定輸送が使命だが、それは安全の確保が前提。今回のように(台風の)被害が出る可能性が高い場合の事前運休は社会的にも許容されるべきで、それを利用者も理解することが必要だ」と話した。