シバイヌ全壊住宅から奇跡の救出 「生きとるぞよ」住民喜び

西日本豪雨
回復したシバイヌの「みなみ」と宮本キヌ子さん=6日、愛媛県宇和島市

 西日本豪雨で家々が土砂災害被害に遭った愛媛県宇和島市吉田町立間の集落で7月、行方不明になっていたシバイヌが全壊した住宅から6日ぶりに救出された。飼い主の代わりに世話をしていた女性は「まさか生きているとは」と奇跡の再会を喜んだ。

 シバイヌは7歳雌の「みなみ」。飼い主の女性が2年前から施設に入り、近くに住む宮本キヌ子さん(72)が散歩や食事の世話をしていた。

 7月7日朝、豪雨で集落の上流にある砂防ダムが決壊。みなみの暮らす住宅は土砂で押しつぶされた。翌8日に宮本さんが懸命に捜したが、反応はなかった。「かわいそうに、埋もれたんか」。家の前で家族と手を合わせた。

土砂で押しつぶされた、シバイヌの「みなみ」が暮らしていた住宅=5日、愛媛県宇和島市
全壊した住宅から6日ぶりに救出され、水たまりをなめる「みなみ」=7月13日、愛媛県宇和島市

 「ワン、ワン」。鳴き声が聞こえたのは13日。集落のミカン農家らが山に向かっていた時だった。清家明さん(56)は倒壊した家の中に犬の顔を発見。がれきに埋もれたリードを切るとすぐに水たまりをぺろぺろとなめ始めた。「生きとるぞよ!」。集落のみんなで喜んだ。宮本さんは「また会えるとは思っていなかった」と涙を流した。

 8月6日、回復したみなみと宮本さんは1カ月ぶりに一緒に散歩を楽しんだ。「脚の調子が悪かったが、みなみが来て体が軽くなったみたい」。帰ってきた相棒をなでながら、何度も目を細めた。 

回復した「みなみ」と散歩する宮本キヌ子さん=6日、愛媛県宇和島市