被災地へ知恵引き継ぐ 経験豊かなボランティア

西日本豪雨
岡山県倉敷市の災害ボランティアセンターで、ボランティアと交流する「遠野まごころネット」の細川加奈子さん(右)=4日

 西日本豪雨の被災地で、東日本大震災などの災害現場を経験したボランティアが奮闘している。浸水家屋の片付け方など発生直後の注意点、復旧・復興に向けたコミュニティーの維持といった長期的課題についてもアドバイスする。

 「子どもの勉強を支援したいんですけど」。8月上旬の岡山県倉敷市の災害ボランティアセンター。岩手県遠野市のNPO法人「遠野まごころネット」から派遣された細川加奈子さん(39)は、倉敷市内の団体から相談を受けた。学習環境確保が必要だと認識していたが、どう動けばいいか分からなかったという。

 東日本大震災の被災地で交流があった教育支援団体を紹介。「徐々に外から来る団体は少なくなる。地元の人たちにいろんな支援の運営を引き継いでいかなければならない」と話す。

 大震災以降、各地でボランティアをしてきた埼玉県三芳町の佐々木誠一さん(76)は、広範囲が浸水した倉敷市真備町地区で、若い人たちに経験を伝えることを意識しながら活動した。「どこで何が起こるか分からない。もし次の災害が起こったら生かしてほしい」と力を込めた。

 浸水家屋は床をはいだ後の消毒を忘れない。被災者に復旧が進んでいると感じてもらうため、道路など人目につく場所の清掃も大切-。倉敷市の災害ボランティアセンターを運営する市社会福祉協議会の佐賀雅宏さんは、経験豊富なボランティアから数々の助言を受けた。岡山県では近年、大規模な災害が少なく「自分たちは経験していないので分からないことが多い」と率直に話す。

 ボランティアの指摘で、仮設住宅に入った住民同士のつながりを保つための支援が重要だと認識した。「次に起こることを知ることができるのは大きい」と感謝した。