【動画・軍事ワールド】英航空ショーRIATを見てきた 評判通り「世界トップクラス」 - 産経ニュース

【動画・軍事ワールド】英航空ショーRIATを見てきた 評判通り「世界トップクラス」

フランスから来訪したラファール戦闘機(岡田敏彦撮影)
カラフルなスモークを出して飛ぶ英曲技飛行チーム「レッドアローズ」(岡田敏彦撮影)
背面飛行で会場をパスするウクライナ空軍のSu-27フランカー(岡田敏彦撮影)
特別塗装を施されたカナダ空軍のCF-188ホーネット(岡田敏彦撮影)
シックな記念塗装をまとったベルギー空軍のF-16(岡田敏彦撮影)
背面飛行へ移ろうとするSu-27フランカー(岡田敏彦撮影)
ギリシャ空軍からもF-16の最新型が参加し、迫力たっぷりの機動を見せた(岡田敏彦撮影)
離陸直前のフィレッチェ・トリコローリ。滑走前からカラフルなスモークを出すのが欧州流だ(岡田敏彦撮影)
ウクライナから参加したSu-27フランカー戦闘機(岡田敏彦撮影)
RIATで健在ぶりを示したバンパイア戦闘機
 英グロスタシャー州のフェアフォード空軍基地で7月13~15日に開催されたエアショー「RIAT」(ロイヤル・インターナショナル・エア・タトゥー)。今回は詳報をお届けしますが、まずは動画をごらん下さい。前半は地元英国の曲技飛行チーム「レッド・アローズ」、後半はイタリアが誇る曲技飛行チーム「フレッチェ・トリコローレ」のショーのクライマックスです。
 RIATでは午前10時から午後6時まで、欧州各国の空軍から派遣された曲技チームなどが迫力ある飛行を繰り広げます。主なチームは3日連続でショーを披露します。「フレッチェ-」の場合、イタリアのオペラ歌手、ルチアーノ・パヴァロッティの歌声をBGMに飛行する豪華なショーで、迫力と優雅さが絶妙の組み合わせとなっていました。
 RIATは世界の航空機マニアが注目する航空ショーですが、日本国内の航空ショーとはさまざまな点で相違があります。
 全席有料、キャンプあり
 日本国内での航空自衛隊や在日米軍の行う航空ショーは一般的に入場無料ですが、RIATは有料で、全席インターネットによる前売り券のみ。そしてコンサート会場のごとく複数種類のチケットがあります。望遠レンズを振り回す写真マニア専用のひな壇席(FRIAT・2日間90ポンド=約1万2600円)や、くつろいで観覧するための芝生席、さらにはイスとテーブル、昼食とデザートに日よけスペース用の大型テントまで用意される席など、自分の目的にあった席を選べます。
 特に人気のFRIATは、翌年7月開催分を秋~初冬に売り出すものの、短期間で完売するほどの人気ぶり。一方でチケット販売枚数を制限しているため、日本国内の航空ショーのように、すし詰め状態の滑走路付近に立ち尽くすか、日よけのないコンクリートの駐機場で座り込むかの2択という状況は発生しません。
 ただし、会場までのシャトルバスが出る町「スウィンドン」のホテルは、お手頃な価格の宿は1年前からほぼ完売。まるでオリンピックの開会式のような人気です。ショーの開始は午前10時なので、ロンドンや、近郊の町「レディング」に宿を取って朝一番の列車で向かうこともできますが、実はRIATでは現地に泊まるという選択肢が用意されています。会場のフェアフォード基地に広大なオートキャンプ場が設置されるのです。日本からの旅行では車の手配やテントなどアウトドア用品の準備など面倒そうですが、地元英国の人たちにとっては大人気で、テント村は大にぎわいでした。
 302機が集合
 公式発表によると、今回のRIATには30の国から302機が参加。飛行展示は計121回で、述べ18万5千人が観覧しました。見どころは第二次大戦中にドイツのルールダムを爆撃しルール工業地帯に打撃を与えた英空軍第617飛行隊の4発プロペラ爆撃機「アブロ ランカスター」と、現在の617飛行隊に所属する現役ジェット戦闘攻撃機「トーネード」、さらに今年導入が始まったばかりのステルス戦闘機F-35B「ライトニング2」による編隊飛行をはじめとした異機種編隊飛行など。
 また日本から参加した航空自衛隊の新鋭輸送機「C-2」も会場で公開され、会場のアナウンスでは「遠い日本からはるばるC-2輸送機がやってきたよ。かわいいルックスだからぜひ見に行ってね」と繰り返し放送され、欧州ではめったに見られないレアな自衛隊機にマニアの注目が集まっていました。飛行展示の“飛びっぷり”は写真をごらん下さい。
 冷戦は遠く…
 英国といえば雨、のイメージ通り、近年のRIATは雨による飛行展示中止などに泣かされてきましたが、今年は会期3日間のうち、初日の午後ににわか雨が降っただけで、珍しく好天に恵まれました。
 ただ、筆者のように冷戦時代を知るマニアにとっては、「英国の航空ショー」というイメージと現実にギャップがあるかもしれません。あたりまえですが、冷戦期に英空軍と北大西洋条約機構(NATO)を支え、「自由主義世界の槍と盾」だったスペイエンジン搭載の英国版ファントムはもちろん、「SEPECATジャギュア」も「EEライトニング」も「ブラックバーン バッカニア」も会場には登場しません。全機退役済みなのです。
 そんななか、期待をもたせたのが1950~60年代に現役だった英空軍戦闘機「デ・ハビランド バンパイア」の2機編隊飛行です。RIATでは最新鋭機以外に第二次大戦時のスピットファイアやマスタングといった「古典機」も飛行展示を行いますが、今後は冷戦期の航空機もそうしたカテゴリーで扱われ、博物館や倉庫から引っ張り出されて再び空を舞う機会が増えていくのかもしれません。