【関西の議論】和歌山の豪華「まぐろハンバーグ」1個200円 マグロの身と牛脂がコラボ、人気商品に - 産経ニュース

【関西の議論】和歌山の豪華「まぐろハンバーグ」1個200円 マグロの身と牛脂がコラボ、人気商品に

勝浦漁港のマグロと熊野牛を使った「まぐろハンバーグ」を製造する「プロミール」の児玉隆博社長
勝浦漁港のマグロと熊野牛を使った「まぐろハンバーグ」を製造する「プロミール」の児玉隆博社長
勝浦漁港のマグロと熊野牛を使った「まぐろハンバーグ」
 和歌山県が誇る勝浦漁港(那智勝浦町)のマグロとブランドの熊野牛を使った「まぐろハンバーグ」が人気を呼んでいる。1個200円程度というリーズナブルな価格も受け、県内を中心とした産直市場では昨年秋の販売以来、右肩上がりの売れ行きだ。“ありそうでなかった”和歌山の二大食材を組み合わせた商品は、加工の過程で捨てられていたマグロの身を「もったいない」と思った男性社長の発想から生まれた。
味と手頃さで人気
 肉厚でジューシーなのに、さっぱりした後味。臭味もなく、一度食べるとくせになる。日本有数の水揚げ量を誇る勝浦漁港のマグロの身に、県南部・熊野地域の熊野牛の牛脂を混ぜ合わせた「まぐろハンバーグ」はそんな評判も聞かれ、主婦層の人気も高い。
 同県田辺市の会社が県内外で運営する産直市場「よってって」で昨年10月から販売されたところ、店長や客の口コミで人気が広がり、今では同市場の15店舗以上で月に千個が売れる人気商品になった。
 和歌山市のわかちか広場で今年3月に行われた県中小企業団体中央会主催のイベント「第14回和歌山くみあい祭り」では、瞬く間に100食を完売。同市場の担当者も「地産地消の魅力的な商品」と一押しする。
 保存料などの添加物は入れず、地元でとれたマグロの身と熊野牛の牛脂を使い、手ごねで仕上げ、産直の利点から価格も1個200円前後に設定した。
「もったいない」がヒントに
 「無添加の良いもの、それも和歌山のものを使い、地産地消に貢献したい」。まぐろハンバーグを製造する食品製造・加工「プロミール」(和歌山市)の児玉隆博社長(61)はこう語る。
 岡山県の旧邑久(おく)町(現瀬戸内市)の出身で、地元の大学を卒業後、エンジニアとして大手電子部品メーカーに就職、千葉県内で暮らしていた。ところが、30代前半に縁あって和歌山市に移り住み、まったくの畑違いの食品会社に転職。子会社の社長を務めるなどしたが、社内のトラブルに巻き込まれるなどして退職した。
 子会社経営で数百万円の借金を背負い、退職後は一時、住まいもなくなった。そんな過酷な状況で、児玉さんは大きな賭けに出た。仲の良い友人が出資してくれることになり、平成16(2004)年に「プロミール」を創業したのだ。「人生の転機には決断せなあかん。決断して真面目にやれば、どこかに助けてくれる人がいる」と児玉さん。
 工場として使える土地や建物も見つかった。最初は工場内の部屋に寝泊まりしていたが、しばらくして病院給食の調理を請け負う仕事が舞い込み、経営が軌道に乗り始めた。ところが、スーパーから受託していたすしのシャリ製造の仕事が打ち切りになり、またも苦境に。
ハンバーグ製造へ
 そんなとき、付き合いがあった鮮魚の加工業者から余ったマグロの身を譲り受け、角煮にするなどして食べていたことを思い出した。「捨てるなんてもったいない。ハンバーグに加工したら売れるんちゃうか」。新たな事業を模索していたこともあり早速、商品開発を始めた。
 魚特有の生臭さを抑えるための工夫を重ねるうち、牛脂の質がハンバーグの味に大きな影響を与えることに着目。「やはり和歌山なら熊野牛を使いたい」と独自ルートを用い、安価で熊野牛の牛脂を確保した。
 こうして誕生した「まぐろハンバーグ」。満を持して販売を始めると、瞬く間に売れ筋商品になった。
 販売は当初、和歌山のみだったが、今は大阪、奈良へも拡大。「自分たちのペースで(会社を)成長させていきたい」といい、今後も少しずつ生産設備を増強していく考えだ。
 児玉さんは「多くの人に食べてもらい、『おいしい』『ええもんやね』と言ってもらえるものが作れたら、それが一番」と笑顔で語った。