鉄道駅ない滋賀県竜王町 バス交通に活路…学生定期半額

 
公共交通の利用促進を目指した協定を近畿運輸局と結ぶ滋賀県竜王町の西田町長(左)

 滋賀県内19市町で唯一、鉄道の駅がない竜王町がバスを中心とした公共交通機関の利用促進に注力している。高校生にバスの通学定期補助を始めたほか、国土交通省近畿運輸局と協定を結び、公共交通を生かした地域活性化策の研究を始めた。車が交通手段の主役となっているなか、高齢化社会もにらみ公共交通へのシフトを図る。

脱・自家用車で地域連携

 「自家用車に頼ってきたが、将来の町民の足の確保には早く動き出さないといけない」。今月中旬、同町役場で開かれた近畿運輸局との「地域連携サポートプラン」の協定締結式で、西田秀治町長は話した。

 協定では、バス路線の効率化の検討や周辺自治体と利用時間帯や路線ごとのバス需要調査などに取り組む。利用しやすいバスの運行形態と収益改善のヒントを町やバス事業者に提供し、利用者増に向けた方策に役立ててもらう狙いだ。

 同サポートプランの協定締結は近畿2府4県のなかで15例目。運輸局はこれまでに、バス路線の再編による利用率の向上策などを提言してきた。運輸局は「管内で駅がない自治体は珍しい」とし「地域交通機関が縮小するなかで、何ができるか考えたい」と話す。

 同町では名神高速道路の竜王インターチェンジ(IC)が交通の結節点。周辺には自動車メーカーの工場や大型アウトレットモール、道の駅2施設などが並び、県内外からマイカーで訪れる人たちでにぎわう。

学生以外への補助も

 公共交通機関は近江八幡市、野洲市など隣接市をつなぐ近江鉄道が運営するバスの5路線のみ。町の世帯あたりの自動車保有台数は2・8台(平成28年3月)と全国平均(1・06台)の約2・6倍で「車が町民の移動手段の主役」(同町)となっている。

 一方で、高齢化率は26・4%(6月現在)と高齢化も進み、運転免許の返納者の増加も予測されており、将来に備えた公共交通のあり方の検討を始めていた。

 町は若年層にバスに親しんでもらおうと、高校生へのバス通学定期券の半額補助を今年度に開始。保護者に送迎してもらっている人や自転車利用者などの取り込みを図った。通学定期購入者は今年5月末で53人と、前年同期からほぼ倍増した。

 同町は効果が見込めるとして「学生以外への補助も検討していく」とする。主婦層や高齢者に、日常生活の交通手段としての活用を促す補助策などを検討する方針だ。

 運輸局との研究事業ではこれらの成果も踏まえ、活性化策を考える。西田町長は「専門家の立場から助言をもらいたい」と話す。今年度末までにバス事業者などにヒアリングを行い、町への提案をまとめる。