【芸能プレミアム】心に語りかけるような歌を 歌手、純名里沙 - 産経ニュース

【芸能プレミアム】心に語りかけるような歌を 歌手、純名里沙

 抜群の歌唱力は、宝塚歌劇団時代から定評がある。娘役として活躍していた最中に、NHK連続テレビ小説「ぴあの」のヒロインに選ばれるという異例の抜擢(ばってき)。その朝ドラで主題歌を歌い、澄んだ美しい歌声に日本中がとりこになった。
 宝塚退団後は女優、歌手として活動するが近年は、音楽活動が中心。3月には新作アルバム「う・た・が・た・り」をリリース、8月8日には大阪・梅田のビルボードライブ大阪でアコースティック・ライブを行う。
 「う・た・が・た・り」は「全曲日本語でいこう」とプロデューサーと決めて挑んだ。「英語のほうが韻を踏んでいてリズムに合わせやすい。でも、歌い込むにつれ、日本語としての表現の面白さ、広がりを持てました」と自信を持つ。「純名里沙の声の魅力」にこだわった作品とあって、透明感のある歌声が心にしみいる。
 初めて、作詞作曲にも挑戦した。「子どものように」は、「メロディーが(天から)降りてきた」と話す。歌詞は、「子供の頃のように何も考えずに眠れるといいねという気持ちで書きました。裏タイトルは『眠れぬ大人たちへの子守歌』なんです」とほほえむ。5曲のオリジナルのほか、「奥様お手をどうぞ」や「知りたくないの」など名曲のカバーを含め、全12曲が収録されている。
 活動の中心に音楽を据えるようになったきっかけは、平成23年3月の東日本大震災だった。
 「どうしても前向きな気持ちになれなかった。(発生から)1年間は自分の中の“炎”が消えていました」。
 そんなとき、出会ったのが、3人組弦楽ユニット「ショーロクラブ」の音楽だった。「今こそ歌いたい」という気持ちがわき上がり、リーダーでギタリストの笹子重治に会いにライブハウスへ赴いた。「“出待ち”して、『オーディションしてください!』ってお願いしたんです」。
 一緒に活動を始めることになったが、ゼロからのスタートだった。宝塚時代とは違い、何の後ろ盾もない。「ライブをやらせてください」と一軒一軒、カフェなどを訪れた。会場探しからチケットの値段設定まで全て自身で行った。
 歌い方も変わった。「それまでは大きな声で歌っていたのですが、聞いてくださる方の心に添うように、語りかけるような歌い方を心がけるようになったんです」。
 ビルボードライブ大阪でのライブは2年半ぶり。笹子(ギター)をはじめ、柏木広樹(チェロ)、林正樹(ピアノ)というメンバーで行う。「最高のメンバーとのライブができるなんて本当に幸せ」。大好きな歌を歌える幸せをかみしめながら、ステージに立つ。
(文・杉山みどり 写真・沢野貴信)
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 じゅんな・りさ 大阪府出身。平成2年、宝塚歌劇団に首席で入団。6年、在団中に朝ドラ「ぴあの」に主演、主題歌も発売された。8年に退団。女優や歌手として幅広く活躍。24年、ギタリストの笹子重治と活動を始める。NHKの英語アニメ「リトル・チャロ」のチャロの声を担当。8月8日の「ツアー2018『う・た・が・た・り』」の問い合わせはビルボードライブ大阪(電)06・6342・7722。