1100人なお避難 山間集落、再建遠く

九州北部豪雨1年
 昨年7月8日(左)と今月1日の福岡県朝倉市の松末小学校付近(小型無人機から)

 福岡、大分県境の山間部で40人が死亡、2人が行方不明になった昨年7月の九州北部の豪雨から5日で1年を迎えた。今なお1100人超が仮設住宅などで仮暮らしを続け、生活再建のめどが立たない。被災地は応急復旧を終え、本格的な防災対策工事の段階に入るが、壊滅した山間集落は置き去りになっている。

 豪雨では福岡県朝倉市と東峰村、大分県日田市で約千カ所の土砂崩れが発生。土砂や流木が濁流となり集落を直撃した。

 福岡県によると、仮設住宅4カ所で107世帯221人が避難生活を送るほか、行政が民間賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設住宅」や公営住宅に316世帯811人が暮らす。大分県の避難者は43世帯94人。

 入居期限は原則2年で、今後の住宅確保が大きな課題だ。福岡県は期限となる来年夏の完成を目指し、災害公営住宅を整備する。一方、朝倉市の山間部5地区約70世帯は被災者生活再建支援法に基づく「長期避難世帯」に認定される見通しで、安全が確認されるまで数年間居住できなくなる。

 国土交通省九州地方整備局によると、赤谷川など3河川の応急復旧工事で土砂7万立方メートル、流木3万2千立方メートルを撤去。搬送に10トントラック延べ1万8千台を要した。上流部には土石流防止のためのワイヤネットを取り付けた。今後5年間で、河川の拡幅や砂防ダムの建設など本格復旧に取り組む。

 九州北部の豪雨を教訓に、国などは山間部での災害データ収集を強化するため、全国約8700カ所の中小河川に簡易水位計を順次設置する。

 JR九州は、鉄橋が流失した久大線を今月中に全線で運転再開させる。日田彦山線は復旧費用の分担を巡り地元自治体との調整が難航している。