被災路線、復旧協議に時間 JRと自治体の主張隔たり

九州北部豪雨1年

 九州北部の豪雨で駅舎や線路などが被災したJR日田彦山線は、1年が経過する今も約半分の区間で不通が続く。JR九州は「単独での復旧は困難」として福岡県などと協議するが、費用負担を巡る主張には隔たりがあり、時間がかかる状況。沿線住民には通学への影響のほか、復旧が長引くことへの懸念も抱える。

 不通となっているのは福岡県添田町と大分県日田市を結ぶ約29・2キロ。川と線路が何度も交差し、山間部の急斜面を張り付くように線路が走っていたが、一部で線路が流失し、橋も破損。代替バスが運行されている。

 JR九州は復旧費用を約70億円と試算。被災区間の利用者数は1987年と比べ約8割減っており、復旧には将来的に路線を維持する仕組みづくりが必要だとの立場だ。

 4月のJR九州と沿線自治体の協議会初会合で、大分県の広瀬勝貞知事は冒頭、JR九州の青柳俊彦社長に対し「これはJR線の問題だ。お金も出すんでしょう」と、自治体に費用負担を求めるJR側をけん制した。

 協議会では、費用圧縮につながる工法などを議論する見通し。JR九州は、被災路線の復旧支援の対象を黒字鉄道会社にも広げた改正鉄道軌道整備法の活用も視野に入れるが、費用負担が発生する自治体側を説得できるかどうかは見通せない。

 地元住民によると、福岡、大分両県の高校に通う学生は、通学時間が増えたり親などに車で送迎してもらったりと影響が続くほか、客足が落ちた農産物販売所もある。添田町の彦山駅近くでヤマメ料理店を営む早戸秀喜さん(68)は「復旧が遅れれば過疎化する地域にとっては打撃だ」と早期運行再開を求めている。