子供の「居場所」再開難航 食堂や学習支援施設

大阪北部地震
地震後、「タウンスペースWAKWAK」の学習支援教室に集まった子供たち。ほっとした表情を浮かべた=27日夜、大阪府高槻市

 大阪北部地震の被災地では、「子供食堂」や「学習支援」など、ひとり親家庭や経済的に困窮する子供たちの支援事業などに使われた建物が、利用できなくなる事態が起こっている。運営基盤などに脆(ぜい)弱(じゃく)性を抱えている事業だけに、被災地全体の復興への動きが強まる一方、関係者の苦悩も広がる。

 大阪府高槻市内で生活困窮家庭などの子供たちを対象に行う学習支援教室を開く一般社団法人「タウンスペースWAKWAK」は25日、同市内の社会福祉法人の施設で運営を再開した。

 地震で、使用していた市の施設が損傷したが、避難所生活が続く中学3年生から「学校のテストや受験勉強もあるのに、避難所では勉強ができない」という要望が寄せられ、別の場所での再開にこぎつけたのだ。

 同法人事務局長で社会福祉士の岡本工介さん(39)は「災害時のようなさまざまな不安が高まるときこそ、子供たちには安心できる居場所が必要。一番支援が必要な時に再開できなかった」と悔やむ。小中学生対象の「子供食堂」も続けてきたが、調理室のある代替施設がなく、再開できていないという。

 同市内でひとり親家庭などの中高生7人が通う学習塾「渡塾高槻校」も建物が損傷し、使用不可に。学習指導だけでなく、誰にも言えない悩みや困りごとに寄り添う“居場所”としての役割も担っており、生徒からは「地震の影響で学校が休みになったが、家にいたくない」などと再開を望む声が相次いだという。

 塾は市内の飲食店「はる遊食堂」の一角を借りて27日に再開。「一人で家にいると怖くて、塾が開くのを待っていた」という女子高校生もいた。塾を運営するNPO法人「あっとすくーる」の理事長で、自身もひとり親家庭で育った渡剛さん(29)は「学習機会を提供すること以上に、塾は子供たちの心のよりどころとなっている。毎日開きたいが、週に2回しか場所が借りられず、場所探しに苦戦している」と話していた。