大阪北部地震の被災地に勇気を 高槻市出身のGK東口順昭

サッカーW杯
【サッカーW杯】練習する東口順昭(左)。中村航輔(右)とともに正GKの川島永嗣を支えている=26日、ロシア・カザン(甘利慈撮影) 

 サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会で決勝トーナメント進出を決めた日本代表のGKで大阪府高槻市出身の東口順昭(32)が、大阪北部地震の被災者に勇気を与えている。1次リーグが始まる直前にふるさとを襲った大きな揺れ。「代表の勝利が被災者の励みになる」。そんな思いで献身的にチームを支える姿を、両親は日本から見守っている。(小松大騎)

 「けがはない?家の中は大丈夫?」

 18日朝の地震では高槻市で震度6弱を観測。揺れから約1時間後、同市に住む東口の父、雅信さん(63)のもとに、ロシアで調整していた東口から国際電話がかかってきた。

 雅信さん方は食器が割れて本棚が倒れたほか、水道が断水。普段はJリーグ・ガンバ大阪でプレーしている東口が妻子と暮らす同府茨木市の自宅も、家具が倒れるなどしたが、幸いけが人は出なかった。

 「こっちは大丈夫。日の丸をつけている以上、サッカーで被災地を勇気づけることが大切だぞ」。雅信さんが伝えると、19日に1次リーグ初戦のコロンビア戦を控えていた東口は「がんばってくる」と応じた。

 東口は控えGKとしてチームを陰で支える一方、ツイッターで《心配です。まだまだ気は抜けないとは思いますが、皆さん気をつけて下さい!》と被災者に向けて発信。30日時点で6千件以上の「いいね」が寄せられ、「勝利が勇気に変わった」「東口選手の姿が被災地の希望になった」などコメントが相次いだ。

 東口が小学生の時に所属した「日吉台ウイングスSC」(高槻市)の河西良雄監督(58)は、「たとえ試合に出ていなくても、彼がベンチで声を張り上げている姿に勇気をもらっている。チームの子供らは日本の快進撃に元気づけられている」という。

 母、妙子さん(60)によると、東口は「中学生まで身長160センチ程度で、線も細かった」。当時所属していたガンバ大阪のジュニアユースには本田圭佑(32)らがおり、「周りがうますぎる。もうサッカー辞めたい」と弱音を吐くときもあったが、毎日のように公園やグラウンドで黙々とボールを蹴っていた。

 ポーランド戦終盤には、決勝トーナメント進出を見据えた消極的なボール回しが批判された日本代表。雅信さんは「複雑な気持ちだが、ルールに則った戦略だと思う」としたうえで、「次の試合は全員の気持ちが一致しないと勝てない。息子には縁の下の力持ちとして、国民や被災者の期待を背負って歴史に名を刻んでほしい」と期待を寄せた。