【名作映画を見てみよう!】「万引き家族」是枝監督…巣鴨子供置き去り事件、柳楽優弥の熱演「誰も知らない」(平成16年) - 産経ニュース

【名作映画を見てみよう!】「万引き家族」是枝監督…巣鴨子供置き去り事件、柳楽優弥の熱演「誰も知らない」(平成16年)

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 フランス・カンヌで5月開催された、第71回カンヌ国際映画祭の最高賞「パルムドール」に、是枝裕和(これえだひろかず)監督(56)の「万引き家族」が選ばれました。
 日本映画のパルムドール受賞は今村昌平監督の「うなぎ」以来、21年ぶりの快挙。是枝監督はこれまでにカンヌに6作品を出品しており、7作目でついにその頂点を極めたわけですが、そんな監督がカンヌで最初に注目を浴びた作品が「誰も知らない」(平成16=2004=年)でした。
 とある2DKのアパートに引っ越してきた母親のけい子(YOU)と息子の明(柳楽優弥=やぎら・ゆうや)。一見、2人は普通の親子ですが、実は大きな秘密がありました。
 実はこの一家、明を筆頭に、京子(北浦愛)、ゆき(清水萌々子)、茂(木村飛影)と計4人もの子供がいたのです。子供4人の母子家庭だとアパートの大家から退去命令を受けかねないと、表向き、けい子と明だけで暮らしているように偽装していたのです。
 おまけにこの4人、全員父親が違っているうえ、役所に出生届も出しておらず、学校にも通っていません。そんな状況の中、母が家を出ていきます。4人の子供たちは助け合って懸命に生きますが…。
 昭和63(1988)年に東京・巣鴨で実際に起きた子供置き去り事件から着想を得て制作した本作、タイトル通り、地域社会がその存在を「誰も知らない」子供たちの悲惨な暮らしぶりを描き、見るものに衝撃を与えました。
 とりわけ、自身も不安で押しつぶされそうになりながら、幼い弟や妹たちの面倒を見る明役の柳楽がカンヌで史上最年少(当時14歳)かつ日本人で初めて男優賞を獲得しました。
 「万引き家族」もそうですが、実在の事件を元に家族のあり方を映画で問い続ける是枝監督。そのジャーナリスティックな問題意識の高さを世界が認めたのでした。   (岡田敏一)
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