富山交番襲撃 元自衛官が拳銃強奪、警察官刺され死亡、警備員は頭部撃たれ死亡

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警察官が刺され、拳銃を奪われた富山中央署奥田交番=26日午後4時56分、富山市

 26日午後2時ごろ、富山市久方町14の24、富山中央署奥田交番で、男が所長の稲泉(いないずみ)健一警部補(46)=同市宝町=の腹部を刃物で刺し、回転式の拳銃を奪って逃走した。男は近くの市立奥田小学校付近で工事警備員の中村信一さん(68)=同市高島=に発砲した。稲泉警部補と中村さんは間もなく死亡した。県警は奪われた拳銃が中村さんへの発砲に使われたとみて捜査している。

 男は奥田小の敷地内に侵入した後、駆け付けた警察官に拳銃で撃たれ、意識不明の重体。県警は中村さんに対する殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。男は同県立山町末三賀、元自衛官、島津慧大(けいた)容疑者(21)。県警は殺人容疑に切り替えて調べる。警察官所持の拳銃が奪われ、民間人が撃たれて死亡したのは極めて異例だ。

 県警などによると、稲泉警部補は交番裏口付近で腹部を中心に数十カ所刺された。死因は出血性ショックという。居合わせた交番の相談員の男性が向かいの美容室に助けを求め、店長が110番した。中村さんは奥田小の正門付近で倒れ、頭と左肩に拳銃で撃たれた痕があった。頭部損傷で死亡したとされる。奪われた拳銃は回収した。

 県警などによると、島津容疑者が奥田小の敷地内で、警察官2人に対し刃物を持って突進して来たため、「止まれ。撃つぞ」と警告した上でそれぞれが1発ずつ発砲した。威嚇射撃をする時間はなかったという。島津容疑者は刃物を3本所持。1本は交番裏から見つかり、残り2本は身柄確保時に持っていた。

 奥田小の校長によると、当時、校外学習で不在だった4年生以外の約410人が授業中で、体育館に避難させたという。中村さんは同校の改修工事に伴って契約された建設業「日本海建興」の警備員。

 自衛隊関係者によると、島津容疑者は平成27年3月に陸上自衛隊に入隊。同年4月から金沢駐屯地で勤務し、29年3月に退職していた。

 県警の山田知裕本部長は記者会見し「警察官が拳銃を奪取されたのは誠に遺憾だ。近隣住民に不安を与え、誠に申し訳ない。全容解明を進めるとともに、結果を踏まえ再発防止に努める」と述べた。

 現場の交番はJR富山駅の北東約900メートルにある住宅街の一角。