「死者30人」兵庫県システム実被害と乖離 予測の難しさ浮き彫りに

大阪北部地震

 18日朝に発生した大阪北部地震で、兵庫県の災害情報システム「フェニックス防災システム」が出した被害予測は死者30人、重傷者27人、全壊115棟と、実際の被害と大きな開きがあったことが分かった。初動対応に備えて最大規模で計算する同システムの被害予測は、平成25年の淡路島地震でも実際と大きく乖離(かいり)。改めて被害予測の難しさが浮き彫りになった。

 最大で震度5弱の揺れがあった県内は、19日正午時点の県のまとめで重傷3人、軽傷34人、家屋被害2棟が確認された。被害予測とは大きな差があり、今回は予測の活用が見送られた。井戸敏三知事は「未明の発生時など情報が入らない場合は初動対応に活用できる。今回は職員の出勤時間帯で、現場からすぐに情報が上がってきた」と説明する。

 同システムは阪神大震災後の平成8年9月に導入。震度4以上の地震発生時に震源地や震度、人口、建物などのデータから瞬時に被害予測を計算する。今回は発生から約5分で算出された。各自治体や消防、警察などの防災担当者に共有されるが、「混乱をまねく恐れがある」(県災害対策課)として県民には公表されない。

 最大震度6弱だった淡路島地震では死者10人、負傷者76人、建物被害1948棟を予測。実際は死者なし、負傷者26人、建物被害が軽微なものを含めて1万棟以上だった。特に負傷者について予測と実態に開きはあったものの、同課は「迅速に被災地へ物資を送ることにつながった」とシステムの意義を強調する。

 一方で、阪神大震災や南海トラフ巨大地震のような大規模地震を念頭に置いているため、小規模な地震になるほど予測が乖離する傾向にある。県は「実被害より過大に算出される傾向がある」と認めており、人の移動や想定外の事故などへの対応も難しいという。