【関西の議論】車いすの常識が変わる!?「座る」から「またがる」へ ロボットメーカーが考案 - 産経ニュース

【関西の議論】車いすの常識が変わる!?「座る」から「またがる」へ ロボットメーカーが考案

またがって乗る電動車いすロボット「ロデム」=京都市上京区
電動車いすロボット「ロデム」は是面を低くすることができ、いすからの移動も楽にした=京都市上京区
電動車いすロボット「ロデム」の座面は上下し、ベッドなどの高さにあわすことができる=京都市上京区
 「車いすは座るもの」という常識を変えるまたがって使う電動車いすロボット「RODEM(ロデム)」を福岡県のロボットメーカー「テムザック」(高本陽一社長)が開発し、販売を始めた。後方からまたがるように乗るため、ベッドなどからの移動が1人でできるほか、座面を上下に動かすことができるため、洗面や食事などの前傾姿勢も楽にした。また、スマートフォンによる遠隔操作で移動もできるといい、次世代の電動車いすとして注目される。(塩山敏之)
おんぶのイメージ
 京都市上京区の西陣地区にあるテムザックの研究拠点「中央研究所」。展示されているロデムは4輪を備え、後ろから乗り込むと、バイクにまたがったような感じだ。
 乗り心地は、これまでの車いすが後ろから抱き抱えられているようになるのに対し、ロデムは胸当てがあるため、おんぶされているイメージ。
 またがって乗ることの利点のひとつは、ベッドに座った状態からの移動がスムーズにできること。介護の現場では、車いすの利用者を介護者が抱えて移動させることがあり、双方に相当の体力の消耗と負担があったが、その軽減に配慮している。
 座面の高さは、40センチから76・5センチまで上下する。いすやベッドなどの高さに合わせることができる。
 また、これまでは、車いすの利用者と会話する際、しゃがむなどして目線を合わせなければならなかったが、座面を高くすることで、目線を合わせやすくなっているという。
洗面、食卓利用も便利
 ロデムの胸当ては約30度の幅で傾斜をつけることができ、前傾姿勢で行う作業をやりやすくしている。さらに、座面の高低の調節により、洗面台や食卓の利用も便利にした。
 前後左右の動きは、ひじ置きにあるジョイスティックで操作。前輪が独立して動くため、その場で旋回できるなど、小回りもきくよう配慮されている。
 また、スマートフォンで専用のアプリを使うことで、遠隔操作も可能にした。就寝時に離れたところにロデムを移動させていても、ベッドサイドに呼び寄せることができ、スマホでシートの上下もできるようにしている。
 「観光地でレンタルも」
 ロデムは、電動車いすの規格に則り、速度は時速6キロ。サイズは、普通の車いすとほぼ同じで、福祉車両に乗り込むこともできる。
 1回の充電(8時間)で15キロの走行が可能。家庭内での利用では就寝時に充電しておくと、約1週間の使用が可能という。
 平成30年度は千台の販売を見込んでおり、7月ごろに滋賀県草津市の病院に導入される予定だ。価格は98万円。通常の電動車いすより高めだが、レンタル会社向けにも提供、個人が月額5万円(介護保険が適用されれば5千~1万円)程度で借りられるようになるという。
 基本的に屋内利用を想定し、今後、障害物に当たる前に停止する機能や自動運転機能の追加も検討中。
 将来的には、屋外でも利用できるようにする考え。同社は「例えば、観光地でシティモビリティ(乗り物)としてレンタルできるようにしたい。障害のある人だけでなく、高齢者の人らにも利用してもらえるようになれば」としている。