信楽鉄道事故27年で法要 犠牲者42人を追悼 「反省を刻み続ける」 - 産経ニュース

信楽鉄道事故27年で法要 犠牲者42人を追悼 「反省を刻み続ける」

SKRの列車が通過する中、現場近くで営まれた追悼法要=14日午前10時半すぎ、滋賀県甲賀市
 滋賀県の旧信楽町(現甲(こう)賀(か)市)で平成3年、信楽高原鉄道(SKR)とJR西日本の列車が正面衝突し42人が死亡した事故は14日、事故から27年となった。同市信楽町黄瀬の事故現場近くの慰霊碑前で追悼法要が営まれ、遺族や両社の関係者ら約80人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。
 法要は事故発生時刻に近い午前10時半に始まり、黙祷(もくとう)に続いて、碑の脇に設けられた「安全の鐘」が打ち鳴らされた。
 焼香と慰霊碑への献花の後、SKRの正木仙治郎社長が「二度と事故を起こさないという意志が亡くなった方々や遺族に報いる道」、JR西の来島(きじま)達夫社長が「将来にわたって反省を刻み続ける」などと追悼の言葉を述べた。
 長年遺族会の世話人代表を務め、毎年法要に参列していた吉崎俊三さん=兵庫県宝塚市=が今月2日に死去したため、今年は遺族のあいさつはなかった。
再発防止へ 薄れる事故の記憶若手に伝える
 追悼法要への遺族の参列者が年々減少している。今年は毎年法要に参列し、遺族としてあいさつを述べることが多かった吉崎俊三さんが直前に死去した。事故の風化が改めて突きつけられている。
 こうした状況の中、信楽高原鉄道(SKR)は3年前から、鉄道事故の悲惨さを甲賀市の新規採用職員に伝える取り組みを始めた。講師を務めるのは、安全統括管理者の前田潤常務(67)だ。
 「鉄道事故は地獄絵図」。追悼法要を前に行われた研修会で、前田常務は今春、同市に採用された11人に語りかけた。
 事故が起きたのはJR西日本の社員として大阪で勤務していた40歳のとき。「とんでもない事故が起きた」と聞かされ、大津市内の病院に向かった。続々と運ばれてくる負傷者と家族の対応にあたるためだ。
 病院では亡くなった妻の行方を探す吉崎さんをはじめ、多くの遺族、負傷者の姿が目に焼き付いた。研修会ではそのとき感じたままを口にした。
 「事故は被害者だけでなく、家族の生活も一変させる。絶対に起こしてはいけない」と何度もかみしめるように話した。
 事故から27年。当時の記憶は薄れつつある。再び事故を起こさないため、苦い経験をどう伝えるかが問われている。
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