「一定程度なら仕様の逸脱構わない」背景に顧客軽視 最終報告書

神鋼データ改竄
神戸製鋼所の神戸本社

 顧客が求める仕様を満たさない検査結果に関する数値の改竄(かいざん)、捏造-。神戸製鋼所が3月に発表した最終報告書は、問題の背景に「顧客仕様を逸脱しても一定程度なら構わないという誤った考えがあった」と断じた。ブランド名「KOBELCO(コベルコ)」やラグビーの強豪チームで知られる名門企業で、顧客軽視が横行していた。

■逸脱・軽視…蔓延した原因は主に3つ

 神鋼によると、アルミ・銅事業部門の真岡製造所(栃木県真岡市)では1970年代に改竄が確認され、グループ会社では「トクサイリスト」と呼ばれる手引書の存在も明らかになった。

 不適合製品の納入先は600社を超え、ジェット旅客機や新幹線、自動車関連など命に直結する製品にも使用されていた。原発でも使われ、関西電力大飯3、4号機(福井県)の再稼働時期が2カ月遅れた。

 神鋼は誤った考えが蔓延(まんえん)した原因を(1)収益評価に偏った経営姿勢に従い、各事業部門が工程能力を十分に検証することなく受注する生産至上主義(2)改竄、捏造を可能とする検査プロセス(3)人事異動がほとんど存在しない閉鎖的な組織-などと分析。

 「組織風土や役員、社員の意識の面で根深い問題を抱えている」とし、新規受注の承認の在り方を見直したり、品質保証に関わる人材を育成したりして、再発防止に努めるとしている。